オンラインサロン雑感
2023/03/04
オンラインサロンに入ったんですよ。
月額千円なので、高くもなければ安くもないような価格かとは思います。
せっかく毎月会費を支払っているので、雑感をメモします。
・オンラインサロンに対してのイメージ
まず、入る前に自分が抱いていたオンラインサロンのイメージについて書きます。
そもそもオンラインサロンとは、概して、何かしらのコンセプトを持って集まる集団であり、費用を支払って入会する。
目立つものとしては、芸能人や作家など、すでに名のある人が主催となっている。
その主催者や周辺の人物と交流を持てることがウリになっているものが多い。
ビジネスやクリエイター系のオンラインサロンも多く存在しており、そこでなにかしらのコンテンツを制作し、成果物が世に流通されるケースも見受けられる。
「オンライン」と銘打つだけあり、活動は主にインターネット上で行われる。
オフ会など、会員同士の交流を促進するようなイベントもある。
だいたいこんなもんでしょうか…。
なんとなくオンラインサロンを見ていて、そこには下記のような機能があるかなと思いました。
1.まじでためになる
2.主催者が教祖の役割を果たす実質カルト宗教
3.ビジネスセミナーのオンライン版
4.主催者のファンクラブ
5.クローズドなSNS
もちろん、それぞれの機能のみを持つわけではなく、いくつかを同時に併せ持つものだと思います。
それぞれについてざっくり書きます。
・まじでためになる
まず1については、参加することで豊かな知識や経験を得ることができるため、学習を目的として入会してくる人がいるといった感じ。
定められている会費に見合う学びが得られると判断する人がいるということですね。
「まじで」と書いたのは、ためになる風ではあるが、特に質の高い知見を得られるわけではないサロンも多そうだな、という想いからです(笑)。
その費用や拘束される時間を考えたら、自分で本を読んだりした方が面白い学びが得られるんじゃないかなー、って思っちゃうことはあります。
まぁ、ジムと同じで、費用分を使いこなせてるわけじゃないけど、入っちゃって抜けられないってパターンもあるかもですね。
あとは完全に自主的に勉強をするよりかは、同じ分野に興味がある人と切磋琢磨する感じの方がモチベーション湧く人もいると言えばいるだろうし。
・主催者が教祖の役割を果たす実質カルト宗教
2は、まぁ、「オンラインサロン」の名のもとに悪名を轟かせてしまった人が何名かおりますが、そういった人たちは「カルト宗教」とを揶揄されたりしてますよね。
これについては下でまとめて書きます。
・ビジネスセミナーのオンライン版
3については、インターネットが台頭する前から行われているようなビジネスセミナーのシステムを、オンラインに持ち込んだという印象です。
サラリーマンが平日に参加させられたり、意識高い人が休日にそこそこ高いお金を払って自主的に参加したりするあれですね。
で、ビジネスセミナーって、ただためになる話を聞きに行くだけの場ではなくて、終了後に名刺交換会などがあったりしますよね。
そこで知り合った人と一緒に仕事をしたり、転職の糸口ができたりたりなど、「人との交流の場」という機能もあります。
そんな風に、人とのつながりを作れる場としてオンラインサロンに有用性を見出している人はけっこういるんじゃないかと思います。
・主催者のファンクラブ
4ですが、2とちょっと被るんですけど、主催者のファンクラブ機能が強めのところも増えてきたなーと思います。
サロンという特性上、運営側の一方的な発信というよりは、会員側から運営・主催にコミュニケーションを取れるところがウリにもなっているはず。
ファンクラブ機能+主催者とコミュニケーションを取れるかもしれないという期待を持てる、ってところでしょうか。
これまではSNS上でファンとの交流は気まぐれに行われていたであろうところに、より「繋がれるかもしれない」感を持てるのがサロンということになるかも。
主催側からしても、わざわざ月ごとに定額を支払ってくれる人が集まる場ができるわけなので、ツイッターとかで絡んでクソリプ飛ばしてくる人間よりは安心して接することができるかもしれません。
後述しますが、吉本興業は所属タレントにサロンを作らせようと奮起していると思われます。(だからコンセプトがしっかり固まらないままのガタガタなサロンが林立していくのだろうなー、と思う…)
よしもとがサロンをはじめ、ネットで定額を徴収できるシステムを模索し始めている気がします。
これからオンラインサロン戦国時代に突入していくでしょうね。
・クローズドなSNS
5について。今さら言うまでもないのですが、もはやSNSはみんなが当たり前に利用しています。
mixiや初期のツイッターなど、実生活で感じたことを表には出さずひっそりと独り言のように書く…という使い方がもはやできなくなっているのが実情と思います。
「変」「イタい」等と身近な人に思われることをためらい、かつてはネットに吐き出せていた感情が行き場を失ってしまった人もいるのでは。(その「かつて」の状況を知らない若者が多数いることも承知しています)
そんな一億総SNS利用時代に突入しかけている状況があり、人々はツイッター・フェイスブック・インスタグラムなどの無料で使えるオープンなSNSのほかに、クローズドなSNSを求めているのではないかと思うわけです。
ツイッターで趣味が近い人とつながるサブアカウントや鍵アカウントを持つ人もいるでしょうけど、それだといかんせん人と知り合いにくいはず。鍵アカウントから人と接触を開始することが難しいはずなので。
そこに出てくるのが、いくらかの月額を投資して登録できるクローズドなSNSなのではないか、と思うのです。
オンラインサロンであれば、何かしらのコンセプトに惹かれた人が集まってくるわけなので、同好の士が集いやすい。
そこでの繋がりで知り合いを増やしていけるという機能もオンラインサロンにはあるはず。
(まぁ、クローズドなSNSだからとて、コミュニティ内部にいる人間の子細まで知ることはできないし、完璧な信頼関係を築くことなど不可なのですが。芸能人のスキャンダルが出る際に、「鍵アカ」での発言や写真が掘り起こされることがたびたびありますね。そういうもんよ。人生)
私がオンラインサロンについて抱いていた機能は上記の5つ。
で、昨今のインフルエンサーオンラインサロンブームについて、その先駆けとなっている岡田斗司夫さんの過去の発言で、ちょっと気になることがあるのです。
・オンラインサロンブームに先鞭を付けた岡田斗司夫さん
「オンラインサロン主催の有名人」と言われてまず自分が連想するのはホリエモン、キンコン西野さん、オリラジ中田さん、箕輪厚介さんあたりです。
で、このあたりの人々がオンラインサロンを始めるきっかけになったであろう人物として、岡田斗司夫さんがいます。
私は一時期この人に傾倒していたことがあり、彼の本をいろいろ読んだり、ニコニコ動画で配信されている岡田斗司夫ゼミを何度も再生したりしていました。
で、彼が「これからオンラインサロンが来る」と唱えていた時期の発言で記憶に残っているものがあるので、ちょっとまとめてみたいと思います。
岡田斗司夫さんが過去に運営していたサロン「フリックス」では、岡田斗司夫を商材として書籍等のコンテンツを企画し、実際に出版するなどの活動がありました。
この時、原稿料は受け取らない形で企画を提案するため、出版社側も企画を通しやすくなるという利点を打ち出していたといいます。
サロンなので会員は会費を支払い、そのうえで書籍の制作と出版にかかわる業務を行うこととなります。
「仕事」をするのに「金銭報酬」は発生しないばかりか、むしろ「費用」を支払う。
普通はそんなの嫌ですよね?
僕は嫌です(笑)。
しかし岡田さんは「書籍の制作の流れがわかるし、勉強にもなる。仕事につながることがあるかもしれない技能を身に着けられる」といったことを話していました。
この形式は、現在のビジネス系オンラインサロンでも多く見られる形態だと思います。(そちらでの原稿料や印税がどのようになっているかは不明。おそらくサロンによってまちまちでしょう)
また、岡田さんは「普通の会社では、社員がちょっとでも頭が良ければサボろうとする。しかしこのやり方なら、お金を払ってでも仕事をしたいという強い動機を持った人が集まる」という、普通の人からは出てくることがないようなアイデアも口にしていました。
これは今でも印象に残っている。
オンラインサロンだったりインフルエンサーだったり、人を洗脳したい人がよく使うロジックとして、出費を強いたり強く勧める際に「未来への投資だ。それができない奴は成功しない」ということがありますね。
一理あるがゆえに退けにくい言説ではありますが、この類のことを口にする人を見たら注意したほうがいいです。
岡田さんの弁は、このロジックの転用でもあると思います。
お金を徴収するうえ、奉公までさせる。
で、これらの思想って、今サロンを運営している人にも引き継がれていると思います。
・オンラインサロンの宗教っぽさ
このシステムについては、岡田さんがこれを提唱し始めた初期の段階で「宗教やん」と指摘されています。
岡田さんと交流のあった町山智浩さんに対して、ツイッター上で「これは素晴らしいシステム。町山さんにも教えてあげますよ」とメッセージを送っていましたが、「それは宗教と同じでは」と一蹴されていたのです。
岡田さん自身が宗教家であったことはないと思うのですが、岡田さんと宗教には浅からぬ縁があります。
というのも、岡田さんの実家が宗教法人を設立していたからです。
自分が知る限りだと、以下のような流れです。
岡田さんご実家は事業を営んでいたが、「税金でめっちゃ持っていかれる…」とご両親は嘆いていた。
↓
ある日実家に帰ったら、祭壇のようなものができていた。お父さんから「斗司夫、今日からお母さんは神様になったから」と告げられる。宗教法人は税金がかからないため、税についての悩みから解放される。
岡田さんの口から、実家の宗教団体がその後どうなったかについては聞いたことがありません。
けれど、「遺産相続」の話題について話している際に、「俺も親からの遺産なんて一銭も入らなかったからな」との発言がありました。
となると、親御さんが死去する際には財産がなかったか、財産はあったけれど法的な理由などで相続することができなかったか。
ちょっとその辺については不明なんですけど、岡田斗司夫さんが宗教に酷似したシステムを持つサロンを運営していたことが、今でもサロンの業界には尾を引いているように思います。
ホリエモン、西野さんなどは一時期岡田斗司夫さんと密接な関係にあり、複数回対談していたので、思想は受け継がれていると考えてよいはず。
閑話休題でした。
・宗教と昨今のビジネスサロン、その構造の類似性
80年代や90年代前半頃って、社会にまだ余裕があったので、精神分析や自己分析ブームがありました。
富に恵まれて余暇もあるが、なぜか幸せではない。
自分ってなんだんだろう、人生ってなんなんだろう。
まぁあと、時代の閉塞感などもあるでしょうかね…「この先どうなるのだろう」とか考えている人が増えていたことが、新興宗教ブームが興る背景にあったと思います。
宗教教祖が悟ったという体裁で、架空の摂理、世の中の成り立ち、人々の存在意義、どのような生き方をすれば死後の世界や来世で救われるか、今世で幸福を得られるかといった世界観や教義を展開する。
悩める人にとって、「これが真実なのか」と思えるようなものがそこにあれば、その団体に入り、その団体が要求するような生き方をするようになります。
団体へ寄付したり、主要人物の愛人になったりすることもあるでしょう。
で、現代になると、日本は貧しくなります。
正社員の仕事に就くことがそもそも困難。
仕事に就けたと思ったら契約終了におびえたり、そもそも会社の経営状態が安定していると言えなかったり、経済的な危機や不安にさらされている人がどんどん増えているでしょう。
そこに、AI技術の進歩があり、自分の職がいつか機械に取って代わられるんじゃないか、それまで培ってきた技能がムダになってしまうんじゃないかという、「働くこと」「働き方」について根本的な疑問を抱くことすらある。
そんな風に「お金」「仕事」に不安を持っている人々がたくさんいる中で、仕事で成功し、名前が売れている人がコミュニティを作り上げて、「自分と一緒に仕事ができる」と掲げていたら、付いていっちゃう人が出てくるのはうなずける。
一部では「自分についてくれば安泰だ」と明言しているインフルエンサーもいる。
で、それだけじゃなくって、名の売れている人本人に気に入ってもらえたら、その後の仕事で重用されたり、その人の周辺の人物とつながって仕事をもらえたりするかもしれない。
言い忘れてましたけど、オンラインサロンって加入したら全てのコンテンツに触れられるわけではなくて、課金して楽しめるコンテンツが豊富に取り揃えられています。
キンコン西野さんに至っては、「西野があなたを意識する」という低料金オプションなんかも用意しております。
「私はこれだけ貢献しているんですよ」というアピールをする機会が設けられているわけすね。
うーん、宗教っぽい。
とは思うけれど、会社組織でもこれは見られる光景だし、人の世の常と言えば常なのかも。
それを、臆面もなく可視化させてしまっているから批判を受けたり嫌われたりしちゃうだけなのかもしれませんね。
まぁ、僕も嫌いだけど…。
この辺がオンラインサロン界隈に覚える雑感です。
で、私が何のサロンに入ったか、についてなのですが、
コロコロチキチキペッパーズというお笑いコンビのサロンです。
ちょっと変わったことやってるなーと思ったと思ったので、サロン発足から5か月くらいたった時点での状態の記録のためにもメモしておきたいと思います。
次に続きます。
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