てやんでい!!こちとら湘南ボーイでい!!

映画音楽本ごはんの話を、面白く書けるようにがんばります

*

女の人にエロ小説を借りさせられた

   

コロナが蔓延し始めた頃のこと。
地元の図書館のホームページで、再開時期未定で休館に入るとの告知が出ていた。
書籍の貸し出しの上限が10冊だったので、会社で業務時間中に予約する本をリストアップしていた。
すると隣の席の女性が、私に付箋のメモを渡してきた。

西加奈子 きりこについて
石田衣良 爽年

と書かれていた。
「これ、借りておいてください」と彼女は言った。
「えっ……自分の家から近い図書館に借りに行ったら?」と言ったが、「私の家から図書館は遠いしカードを持ってないんですよ」とのことだった。
遠かろうが図書館に頑張って行って、5分ぐらいかけてカードを作成すればよいのでは……と思ったが、別に借りたところで私が何か失うわけでもないので、借りてあげることにした。
借りる本を調べてみたところ、爽年は『娼年』という作品の続編にあたるものだった。
娼年のことは知っていた……男娼を主人公とした作品で、松坂桃李主演で映画化されたことで話題になっていたからだ。
彼女に「これってちょっとエロいやつ?」と聞いたら「だいぶエロいんですけど、好きなんですよ。娼年、田中さんにも読んでみてほしいです」と言っていた。
僕は娼年も予約した。

娼年は私にはただのエロ小説のように思えた。
Amazonprimeに実写映画もあったので、観てみたが、信じられないぐらい粗雑な作りの映画だった。
だが彼女には「面白かったよ、勧めてくれてありがとう」と伝えた。

エロ小説を女性に勧められただけならまだしも、エロ小説の又貸しを強制されたので、「これはエッチあるやつですか!?」と思ったが、エッチはなかった。
髪の毛が綺麗で、肌が白くて綺麗で、丁寧な話し方をする女性であった。
彼女は「○○たん」という相性で呼ばれていた。
私と本を貸し借りする間柄であった頃には恋人がいなかったが、「私はけっこう愛情が強い方なので、愛情を向ける相手はほしいなって思いますよ」と話していた。
「どういう時に男の人と付き合いたいと思うものなの?」と聞いたら、「うーん……私のものにしたいなって思ったときですかね」と言っていた。

その後コロナ禍が本格的になり、社内で人員の異動がいくつかあり、私達は別々の部署で働くことになった。
その後一度食事に行ったが、その後連絡も取らなくなった。

先日、友人とスーパー銭湯に行ってからラーメン二郎を食べに行くという遊びをした。
かなり充実した一日であったと思われる。
関内の二郎に行ったのだが、風俗街をぶらついたあと(ぶらついただけで入店せず)、野毛の飲み屋街を歩いた。
お腹の調子が良く、興味を惹かれる店があったら入ろうかと話していたが、ラーメン二郎を食べた後に身体にアルコールを入れようとはやはり思えず、我々は駅に向かって歩いていた。
野毛について最近思うのは、街全体が街コン会場みたいになっているなということだった。
にんにくと脂を大量に摂取した私には、女性に近づく権利などなかったわけだが……。
楽しそうに身を寄せ合っている女の人たちが正面から歩いてきた。
そのうちの一人が「あの男の子たち話しかけてきたのに、○○たんが近寄るなオーラ出してたんじゃんw」と、聞き覚えのある名前を口にした。
私にエロ小説を薦めた彼女がいた。
とはいえ私は強烈な二郎臭を放っているし、エッチがあるかと思ったらなかったし、もう帰ろうとしていたところだし、なんか男関係で盛り上がっているしだったので、私は彼女の姿を確認した瞬間に目をそらし、歩き続けた。
彼女の方が私に気づきもしなかっただろう。

私にエロ小説を借りさせたとき、この人は何を思っていたのだろう……。
「別に他意はなく、読みたかった小説がエロかっただけ」だったのだろうか。
私は、最大限にエロい意味を汲み取ろうとすると、「エロ小説を読んでいる自分を受け入れてくれるような気がした」つまり「エロいことをすることが不可ではない相手」として観ていた可能性はあるようには思う。
そこで実際にエロいことがなかった理由としては、自分の行動に何か、彼女を落胆させるようなものがあったのではないかとも思われてくる。
自分の評価が及ばなかったと思わされる経験は快いものではない。
自分の価値が基準に達さなかったは、なるべく思わずに生きていたいと思うのは私だけではないだろう。
自分のコミュニケーションの取り方によっては、エッチはあったかもしれない。
あるいは、彼女がエッチをしたいと思うような相手がどのような像なのか、より具体的なイメージを掴めたかもしれない。

思うのは、私の性欲や女性からの承認を受けたいという欲求によって、より強く結びつきえたかもしれない関係性が、力を失い消滅してしまうことは、お互いにとっての機会損失なのだろうなということ。
日本の社会では、「利益の無い関係性は積極的に切る」という考え方が一般的になっているように思うが、自分の動き方によっては、得がたい絆が育まれた可能性もあるように思う。
そういう絆が構築されてこそ、セックスが発生する可能性は上がるし、この当人とセックスがなくても、知り合いの女性を紹介してくれる可能性もある。
それこそ「女子で野毛で飲むんですけど一緒に来ませんか」なんて誘いもありえたかもしれない。

私は多分、「セックスをさせてくれそう」と思い込みやすいし、そう思い込んだらどういうルートを経ればセックスが達成されるだろうと思考してしまう傾向がある。
この思考を排除するための努力をしないと、さらに困窮に陥っていくと思われる。

 - コミュニケーション, , 日記,

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