てやんでい!!こちとら湘南ボーイでい!!

映画音楽本ごはんの話を、面白く書けるようにがんばります

*

神映画のめざめ ゴジラ キング・オブ・モンスターズ ネタバレ無し紹介

   

アベンジャーズのエンドゲームが平成の最後にフィナーレを迎えましたが、
名探偵ピカチュウとゴジラ キング・オブ・モンスターズという二作のレジェンダリー製作日本コンテンツ原作映画が令和の幕開けにぶち上げられました。
両作ともとんでもねぇっすよ。

ゴジラバリヤバだったので、感想を書きます。
ゴジラ映画はシリーズ全部観てはいるのですが、覚えてないものも多いので考察とかは全然できないです。
ピカチュウも書きたいところ……。
最初はネタバレ無しの感想を書きます!
見てない人も読んでください!
観に行くかどうかの参考になるよう強めます。
その後ネタバレします!
見てない人は読まないでください!
とは言ってもお話が面白い作品でもないので、読んでも問題はないかもしれないですね……。

予告編は数パターン製作されていますが、私は一つ目のものが好きですね……。
「月の光」が効果的に演出されていて、ただの怪獣映画ではないという神秘性も見せつけてくれています。

・ざざっとあらすじ
5年前、ゴジラがアメリカに初上陸した際の戦闘で息子を亡くした一家。
その悲劇が原因で夫婦は離婚し、動物学者である夫は田舎で動物の生態を調べて暮らしている。
妻は娘と共に、怪獣を研究したりする秘密組織モナークで科学者として働いている。
中国で発見されたモスラの卵を保護する施設で、モスラの誕生の瞬間を見届ける。
しかし怪獣を保護するシステムが何者かに操作され、モスラは人を襲い始める。
研究員はモスラを抹殺しようとするが、科学者奥さんは自ら作り上げた「オルカ」というシステムでモスラの怒りを鎮めると申し出る。
オルカはあらゆる生物の声の周波数のデータを集め、怪獣と交信できる音を発生させる装置。
それによって、怪獣を興奮させたり、仲間として認識させることができる。
完成したばかりであったその装置を使い、見事モスラの暴走を止めることができた科学者妻。
しかしそこへ、武装集団が乱入し、妻と子ども以外のモナーク関係者を全員殺害する。
彼らは、怪獣を操ることで文明社会を破滅させようとする、過激派環境テロリストたちだった。
妻が完成させたオルカに目を付けて、妻と子どもを拉致しに来たのだ。
モスラは施設を抜け出し、近くで繭を作りさなぎに変態する。
その騒動のあと、モナークは元夫に接触し、オルカと家族を取り戻すために協力するよう要請する。
元夫はゴジラ上陸の悲劇によって、「怪獣は全て殺すべき」という過激な考えを持つようになっていた。
しかし生物に精通しているため、モナークが見守るゴジラの行動や感情を理解できてしまう彼。
家族を取り戻したいという動機から、騒動の渦中に巻き込まれていく……。

おおむねあらすじはこんな感じです!
ドラマが面白いかどうかは別としても、ちゃんと成立しているからすごいなと思いました。
「端折りすぎてわかんなくなっちゃいました~」感が全然ない。
ドラマパートでも好きなシーンがあったし、そこもけっこう満足できてます。
想像の百倍は面白かったです。
誇張なしで。
なんでこんなに面白く作れてしまうの~!?

・映像美
予告編を観るだけでもわかると思うのですが、この映画、映像がめちゃくちゃ美しいです。
予告編がブルーを基調にした幻想的な映像だったので、すごくびっくりしたんですよ。
そしたら、チラシを見てみても、それぞれの怪獣ごとに色分けがされているようで、
これは今回の映画はとんでもない色彩設計になってるんじゃないか……と思いました。
実際に、なってましたね!
人間が放つ兵器は薄緑色だったり……あそこは本当に美しかったな……。
ほんとうにすごい……まばゆい。
監督は、アニメーター兼イラストレーターとしてキャリアをスタートさせたというから、彼のセンスの賜物なのでしょうか……。
カメラワークや、怪獣の格闘の撮り方は斬新とまではいかないのですが、色と光がとてつもないレベルで使われています。
怪獣で光を放つのは、ゴジラとギドラなんですけど、この発光の美しさが!
炎や雷、爆炎もたくさん登場しますが、画面の中で色の調和がとれていて、それが本当に美しいです……。
怪獣同士が向き合うシーンなど、まるで宗教画のような荘厳さがあります。
この先の怪獣映画に求められるハードルを、上げてしまったんじゃないかな……(笑)。
文字通りの「神映画」になってしまっているんです。
予告編でけっこう見せてしまっていますけど、予告編では短くしか写さないし、前後の文脈がわかるとなお感動するところも多いので、ほんとに劇場で観てほしいです……。

なんか3Dだと観にくいなって思ったんですけど、この監督はカメラを上下や横にスライドさせるカメラワークを好むようなので、それも要因なのかも……。
でも、それを補って余りある映像でしたね。
2Dで観ていないから、どちらで観賞するのが推奨か、という話は出来ないのですが……むねん。

・怪獣の描き方
実際、この映画で怪獣は「タイタン」「タイタヌス(女性形)」と称されています。
設定としても、人間が地球に誕生する前に地球を支配していた存在だとされています。
私は詳しくないのですが、キングギドラが南極で発掘されるところなどから「クトゥルフ神話」をモチーフにしているといわれていますね。
レジェンダリーが計画している「モンスターバース」では、従来の怪獣映画とは異なり、ゴジラやキングコングを神話的な存在として描くのではないかと推測されています。
たしかに、ただ怪獣同士がバトルを繰り広げるだけではシリーズ展開がしにくそうだし、こうやって一つのテーマで軸を通す必要はありそうですよね。
いったいどうなっていってしまうの……。

・音響
音響効果がすごいと思うシーンは特になかったです!(笑)
ただ僕、すでに二回観ているのですが、どちらもIMAXでなんです……なので、通常の上映で観た時に「IMAXの方がよかったやんけ!」と思うこともあるかもしれません。
しかし、音楽が死ぬほどいいですよ!!!!
どでかい音で聴くべき音楽なのは間違いありませんので、やはり劇場の、いい音で体感してほしいところ……。
音楽がどんな風にいいかは、調べずに、まっさらな状態で体感してほしいので、詳しくは↓で書きます……どうかしんじて!
最高の音楽だから!

・感情移入はできても共感はできない人物たち
ツイッターで、「登場人物が狂人しかいない」といった意見がけっこう見られました!
なんなら「人間ドラマ必要ない」とかも……。
僕はこの点、正直僕は気にならなかったんですけど(笑)。
物語の冒頭から、かなり大きなトラブルが連続して発生しているので、人物の言動も極端なものになりがちなんだと思うんですよね(笑)。
でも怪獣映画を観ている人だったら、「あぁこういうタイプね!」ってすぐに呑み込めると思うので全然よかったっす。
緊急事態が進行する映画なのですが、議論を戦わせることは全くなく、各々が極論をぶつけ合うので話がどんどん進んでいきます(笑)。
そういう意味で、人物の台詞の応酬もオイシイところを重ねていく形なので、全体のテンションが弛緩することなく、盛り上がりを維持したまま進んでいきますね。
僕は本作の人物描写や会話劇も支持しますよ!

・1との比較
ギャレス・エドワーズ監督が手掛けた1についてはネタバレしますよ!
1は普通の男が戦いに参加して、ゴジラという驚異を近くで体験するというテーマだったように思うんですね。
ドキュメンタリーっぽくやってるのかなって気はしました。
彼が有名になったきっかけであるモンスターズという映画もそんな感じだったので……。
あと、けっこう不評だったスターウォーズのローグワンも、ドキュメンタリーっぽくやりたかったみたいですね。
その結果、最後のアクションシーンを別監督によって追加撮影されるなど、作品を独力で成功に導くことに失敗するというかわいそうな事態に……。
だからギャレス監督は、パニック状況下における人間ドラマをやりたいのかなと。
でもそのドラマも、正直面白くはなくってですね……そこが困りものではあります。
ただ、怪獣の側にも、母子の物語みたいなものが入っていて、そこは少しも白かった。
いや、よくあるんですけど、怪獣の産卵とか交配は面白かったですね。
いや、そこに行くと、MUTOのデザインってそこまで面白くはなかったのはつらいところ……。
KOMになってから、急にいいモンスター出過ぎですよねぇ……。
いや、1はゴジラで魅せる!って形にするのならわかるけど、いきなりオリジナル怪獣なのはつらいよな……。

それに対して、こっちは細かい人間の感情の機微なんて関係なかったですね!
かなり極端なことを言う人物設計。
なので会話劇も、大きくポンポンと飛躍していきながら進みます。
怪獣映画で人間ドラマをやろうとするのって、実際、かなり難しいですよね……。
面白かったと感じる例って、ほとんどないです。
でもこの映画の画期的なところって、極論ばっかり言わせてすごいスピードで人間ドラマを進めていくから、ちゃんとドラマ的にも美味しい部分を描けているんですよ。
良い映画やで~。
あと、怪獣側にもドラマがある。
怪獣側を、ただの凶暴ないきものではなく、意思を持った知的生命体にできているんですよね。
ええやん。

・役者
チャン・ツイィー久しぶりに観たけどめっちゃかわいいですね。
ショートカットに合うわぁ……。
レジェンダリーの中華要素ゴリ推しについては、この映画では全然気にならなかったアルよ!

あと大佐役のアイシャ・ハインズさんが、日本のお笑いコンビマテンロウのアントニーさんに似すぎでした……。
いつ「ビクター」の話が出てくるか、松本さんが警報を鳴らして部屋に入ってくるかとびくびくしましたよ……。
マディソン役の女の子、中性的な顔立ちが素敵でしたねー。
登場シーンではピクシーズの『Wave Of Mutilation』を聴いていましたが、どういう意味があるんだろう……。
ピクシー=いたずら好きの妖精っていうバンド名だから?


歌詞を和訳してくれているサイトがありました!
参考になる! 助かる!
http://nekoko522.blog68.fc2.com/blog-entry-4.html
ちょっとネタバレの方で歌詞の関連性を書こう。
それにしても海外の映画では、ピクシーズとか普通にビッグバジェット映画で使われるんですよね。
素敵。

・近年のシリーズもの大作アクションの流れ
他シリーズのネタバレを若干含むかもですが、アベンジャーズのようなMCUシリーズも、ジャスティス・リーグのようなDCコミックシリーズと共通するなと思ったところ。
アベンジャーズで言えば、シヴィル・ウォーと、スパイダーマンがそう。
(スパイダーマンについては思うところがあるので後日ちゃんと書きます)
シリーズの中で、街中での大きな戦闘が行われた後の作品では、その戦闘によって被害を受けた人たちが描かれますね。
大切な人を失くしていたりする。
これはなんでこんな流れになっているんだろう……どんな形であれ、戦闘行為を、海の向こうのどこかで兵隊同士が戦っているだけのものではないと教えたいのかな。
シリアで続く悲惨な戦闘がどんなことを引き起こしているのか、我々に実感させようとしているのかもしれない。
ゴジラではこの要素は薄かったですけど(笑)。
ただ、アクション映画がこんな風にシリーズとして大規模に展開するというのが、映画史が始まって以来なかったことなので、みんな手探りで描いているところはあるのでしょうね。
MCUがやったことを後続が真似ているような気がしないでもない(笑)。
でも、自分たちの破壊行為の代償を負わなければいけないというのは、イラク戦争以降のムードを如実に反映しているはず。
アメリカの面白いところは、アメリカを批判する文化もアメリカから生み出していくところ……そんな風に語ったアーティストがいますが、まさにそうでですよね。

・総評
怪獣映画を観たい人にとって、観たいものが全てつまった映画です。
音楽も、ストーリーも、怪獣のデザインも、かっこいい映像も、すべて……。
一応社会性のあるテーマ設定にもなっていますし!
そのうえ、怪獣を人間よりも上位の存在として定義してしまうという点や、幻想的な色と光のアートにまで昇華してしまっているという暴挙。
求められていることを完璧にこなしつつ、誰もが創造しなかった領域へと踏み出してしまいました。
死んでも観た方がいい映画です……!

では、以下ネタバレの感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・Pixes/Wave Of Mutilation
歌詞を観ていると、車で海に突っ込んだ男が「俺のことを死んだと思ってるだろ?」って言ってたり、「マリアナ海溝」というめちゃくちゃ深い海溝に言及しているので、それだけだと思います(笑)。
こういう曲のセレクトって、本当に誰がやってるんだろうなぁ……。
作品に関係ない選曲ってやらないもんなぁ。

・ギャグがいらんかったのでは
ハリウッド映画らしく、ギャグっぽいシーンもあったのですが、全スベリでしたね……。
いや、「怪獣の交配の興味深い映像です。モザイクをかけてみましたが……」っていうところとか、個人的には好きなんですけど、なんか笑えなかった。
シリアスすぎるシーンに挟まれているし、ものの数秒ほどしか「笑っていいシーン」がなかったから、微妙っちゃあ微妙なんですよね……。
あと、娘ちゃんが、テロ集団のリーダーに中指を突き立てるところですね。
顔をかく振りしながら。
あれ、リーダーは何やってたのかよくわからなかったんですが……。
顔についた血をぬぐったの?
映画のテイスト的に、コメディの質を高めすぎてもいけなかったのかもしれないんだろうなとは思うんです。
これまでの怪獣映画では類もないほど、神秘的な映画だから。
だからそこに挟まれて、ギャグがちょっと窮屈そうになっている。
「じゃあ削れよ」というほどでもないので、いいんですけどね。

・思ったこと、ざっくり
核使うことに躊躇ゼロなんか!笑
「核使用決定までの時間が最も短い映画」でギネス申請できるでしょ(笑)。

リン博士とチェン博士が双子って設定だって知りませんでした……。
初見の時は、「ゴジラ死んじゃったからモスラを観に来たのかな?」って思っちゃいました。
渡辺謙と喋ってる時とかに、双子だってもっとわかる感じで情報を入れられんかったのかな。

めちゃめちゃ良い作品なのですが、一つだけ気になるのか、勝ち方がそんなにカッコよくなかったところ……。
圧倒的な王の誕生を描いているから、文字通り「蹂躙」するのはわかるのですが……。
熱核爆発アタックより、やっぱり、ビジュアル的には口からビームの方がかっこよくないでしょうか……。

最後の一撃っていう点では、前作の方がカッコよかったですよね……。
僕はあの一連の流れを「狙われた未亡人 ~鬼畜! 口内発射!~」と呼んでいるんですよ。
嘘ではないじゃないですか。
ゴジラがキングギドラの首を食いちぎってるところはめちゃくちゃカッコよかったですけどね……あんな画、観たことねぇよ。
オリジナルのゴジラが使わなかった技を、あらたにプラスするってわけにはいかないんでしょうしね……。
核でパワーを注入するというアイデアはかなりいかれてると思いますけども……。
そこだと、シン・ゴジラって、ほんとにすごい映画でしたよね。
庵野さんのゴジラ愛と、ビーム愛がさく裂していました。
あそこのシーンを観て震えない人間はいないだろ。

そういえばキングギドラが、具体的にどんな手段で地球の生態系を破壊するのかはわからなかったですね。
人類を滅ぼす、という話?
あと怪獣が何食って生きてるのかもわかんないなぁ。
何食ってるの問題とかって、中途半端に描くとかえって齟齬が出るから、ノータッチでいくのがいいとも思いますけどね!
怪獣が人間を食べるシーンって、戦闘機を緊急脱出したらラドンの口にパクッて入っちゃったところしかなかったですし。

東洋では竜は知恵の象徴だ……みたいな話があったけど、ギドラとの関連性はわかんなかったっすね……。

最後の闘いを挑むの、あと数分遅くバトル開始していれば、最初からゴジラが圧勝だったんじゃねーか!笑
そしたらモスラも死なないですんだのに……(´;ω;`)
あとマディソンちゃん、オルカを起動させたら別に逃げちゃっても良かったのでは……?
よくわからんけど。

劇中でマディソンちゃんも、かなりイカれた決断をするけど、あのママからずっと刷り込みを受けていたんじゃ、多少常人と違った思想を持っててもおかしくないですよね。
南極でパパと対面した時に、ママが「マディ」ではなく「マディソン」とフルネームで呼んで彼女を引き留めるところなどは、ママがそれまでマディを支配していたことを表しています。
冒頭で、マディがパソコンをいじっていたことを追求するところもけっこう怖いですしね……。

・王の誕生(ロング・リヴ・ザ・キング)
ゴジラ側のドラマがわりと面白く出来てたと思うんです。
王の誕生の物語なんですよね。
まず、自分がけっこう強いと思っていたら、勝てない。
再戦を挑みに行ったら、守ってあげていたはずの軍勢から妨害を受けて、死にかける。
傷を癒していると、自分を救うアイテムを命がけで運んできてくれる人がいる。
回復を遂げて、三度目の正直でライバルに挑みに行く。
苦戦を強いられているところ、文字通り盾となって自分を守ってくれる母がいる。
そして王としての覚醒を遂げる。

王としての目覚めの過程が丁寧に描かれててすごいです。
一度、胎内回帰を経るんですよね。
モスラがゴジラの盾になって消えていったあと、光がゴジラに降り注ぐけど、あれはなんだったんだろう……。
モスラが成虫になる前の滝のシーンで、同じ光が舞っていたけれど……。

・ゴジラ神殿=安全な母胎
ゴジラがエネルギーを回復させに行くのは神殿は「子宮」です。
ハリウッド映画は「ここにいれば安全」的なスポットが出てくるのですが、この映画ではそれがこれですね。
外観的な特徴としては、水に囲まれていたり、水が流れていたりする。
入り口が狭かったり、狭いところを潜り抜けていくと、その奥に少し開けた閉鎖的な空間がある。
まぁ、膣と子宮のメタファーですよね、モロに。
トトロの住みかを思い浮かべてもらえるとわかりやすいですね。
狭い道を潜り抜けていくと、まんまるやわらかなトトロがいる不思議な閉鎖空間がある。
ちなみにポルコの隠れ家も子宮ですね。
あれも、戦争や政治から降りた男が隠れて暮らす場所ですから。
宮崎アニメはわかりやすく、こういうモチーフを採用するのです。

話がそれました!
で、そのゴジラが体力を回復できるのは、マグマが流れる地底火山付近です。(だよね?)
そこには、太古の時代にゴジラをまつるために作られた神殿があったのです。
(なぜ海底に神殿が作られたのかは全く不明です……人間……こんなところに来れたのか……?)
ゴジラはそこにいる限りは安全ですが、すぐに復活してもらわないと、人類が滅ぼされてしまうかもしれない。
だから人間たちは、核をぶち込んでゴジラに気合を入れる。
そう、英雄は魂が死ぬのですが、誰かが母胎から引きずり出すんですよね。
にしても怪獣を英雄として、王として描く映画が出てくるなんて思わなかったっす……。

この、怪物が世界に溢れるようになるという描写は、昨年の『ジュラシック・ワールド 炎の王国』とも似ているなぁ。
あちらの監督であるフアン・アントニオ・バヨナ監督も、ホラー映画(と見せる映画)から出てきたので、そこは本作のマイケル・ドハティ監督と似ているかも。

・和睦
渡辺謙さんが演じていた芹沢博士が、元夫に助言をするところめっちゃ良かったですよね……。
「傷を癒すためには、自分に傷をつけた者と和睦するのだ」
「本当にそう思うか?」
「そう思うだろう?」
みたいな会話。
字幕と、英語で話している言葉がちょっとニュアンス違ったような気がしたけど、英語でなんて話していたか覚えてないっす……。
これはとても面白い言葉でしたよね。
芹沢さんが言うから説得力もあったし。
ほんとにうまい。
監督のお母さまはベトナム人だったとのことなので、コングの方でも描かれたベトナム戦争には、かなり心を痛めていたのではないでしょうか……想像ですけど。
単純に、好きな言葉になりました。
真理だとも思いますしね。
短い時間ながら、彼らの間に信頼関係が生まれているのもわかる。
そう、こういう、良い一言みたいなのが欲しかったんです。
そのあと「フォーシュンクッキーに書いてあったんだよ」って照れ隠しをするのも面白い。

・最後のジェダイとの共通性
怪獣バトル以外でも、すごいと思ったところがあるんです。
ライアン・ジョンドソン監督がやったことと、同じことをやっていると思うんですね。
彼がスターウォーズの最後のジェダイでやったのは、スターウォーズの破壊ですよね。
スターウォーズっぽいこと……スターウォーズがやらなかったような描写を敢えて入れまくったり、スターウォーズっぽいシンボルを実際に壊したり燃やしたりする。
一つ前のフォースの覚醒を監督したJ.J.エイブラムスが、スターウォーズファンが喜びそうなお約束を入れまくっていたことの真逆をやった。
エイブラムスが敷いた伏線もぶっ壊してしまったり(笑)。
僕は正直、そういうスターウォーズらしさみたいなものに愛着はなかったので、そういう部分も楽しみました。
あと映像のカッコよさはシリーズでもトップクラスでしたよね……。
あとほんとに蛇足ですけど、僕がスターウォーズで一番好きなのって、正義とは何かを描き続けてきたところだったのですが、それがほとんどなかったので……フォースの覚醒って……。
それに付随して、努力や、献身も描かれますけど、フォースの覚醒は全然努力してなかった人が、悪の道でとは言え努力しまくった人に勝つところもあるので嫌だったっす……。
フォースのパワーで勝つならわかるけど、剣術の腕で勝っちゃだめでしょう……。

話がそれました!
「ゴジラを崇拝し守るための神殿」を、ゴジラを再起させるために吹き飛ばす……。
これってパンクだなぁと思いましたよ……。
このゴジラを崇め奉る存在の解釈は2通りあります。
「ごちゃごちゃ小うるさいゴジラ≒怪獣ファン」もしくは「ゴジラ利権を守りたがる保守派製作陣営」なのかなぁと……。
ゴジラで新しいことをやりたい、これまでにないゴジラ像を作りたいと思っているハリウッドゴジラ製作陣営に対して、批判的な立場をとる人がいたってことじゃないですかね。
5年前のゴジラも、批判的な意見も多かったですからね。
ゴジラを愛しているが故に、新しいこともやりますんで! ぶっ飛ばさせてください!
って意気込みの表れなのかなと。
それで、本当に、死ぬほど面白くなっているからすごいですね……。
それにしても怪獣をまつる神殿なんて観たことないですよ……ほんとにすげぇことになってきたな。
音楽の使い方からも、これまでのゴジラ映画への愛が迸っていますものね。
せっかくみんなが知っているテーマ曲があるのだから、使わない手はないという発想をしたようですね。
その点だとギャレス監督は、これまでとは違う新しいアプローチを取ろうと必死だったように思います。
それが監督の構想なのか、他の製作人の構想なのかはわからないところですが……。
いずれにせよ、まさに王道を往って傑作をモノにしたドハティ監督、ほんとにすごい。

・この先のモンスター・バース
キング・コングVSゴジラが来年には公開らしいですが、どうなるんでしょう。
曖昧な結末にはせず、はっきりと勝敗を描くと宣言されています。

でも監督が、ネットフリックスドラマのアメリカ版デスノートを作った人に決まっているんですよね。
あのデスノート、評判がすごく悪いから、正直心配ではあります……。
とはいえ、本作を撮ったドハティ監督も、前評判がブッチギリに高かったわけではないので、
ホラーから人を引っ張ってくる流れが続いているんだなぁ。
面白いっす。

でもキングギドラが、メカキングギドラになって再登場する布石は打ってあるから、ゴジラが消えるって展開はないでしょう。

まぁ、勝敗が別れるって言っても、負けた方が死ぬと名言されているわけではないし、キングコングとも共闘関係になるのかもしれないですね。

おわり

 - 映画

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