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映画音楽本ごはんの話を、面白く書けるようにがんばります

*

アベンジャーズ最終作・エンドゲームの感想とプチ解説 インフィニティ・ウォーの方が面白かった……(´;ω;`)

      2020/03/13

インフィニティ・ウォーとエンドゲームの感想を書きます!

めちゃくちゃ面白かったのですが、正直、インフィニティ・ウォーの方が好きでした……。
エンドゲームは初日に観に行ったんです。
ネタバレを食らうのが嫌だったのもあるし、ニュースなどを通して、とんでもないレベルの賛辞が捧げられているのを見ていたので、期待が高まりまくっていたというのも要因ですね……。
なので、その期待にはちょっと届かなかったかな……というところ。

一つの作品としては非常に面白かったんですけど、いくつか気になるところがありました。

・ 戦闘が少ない!
・ 戦闘シーンが被ってる!
・ サノスの魅力がほぼなくなってた!
・ 引継ぎ先が黒人ばっかりじゃない……?

逆に、良かったところも挙げます。

・ 一人のヒーローの最後がカッコよすぎた!
・ コメディのセンスに磨きがかかりまくってた!
・ 展開がめっちゃ予想外だった

以下、具体的に述べていきます。
本当ならいいところと気になるところを分けて書いた方がいいとは思うのですが、どうにも、良い見方と悪い見方どちらもできてしまうところが多いので、併せて書いてます。
読みにくいかもしれないです。
申しわけ。

・エンドゲームは戦闘シーンが少ない/インフィニティ・ウォーは多い
戦闘シーンが少なかったのが気になるところです……。
というのも、前作のインフィニティ・ウォーがいかした戦闘シーンばっかりだったじゃないですか。
全ての戦闘シーンがマジでカッコよかった……。
対してエンドゲーム、戦闘シーンになんかそんなにビビッとこなかった……。
もちろん平均点は全然超えているんですけど、凄すぎたインフィニティ・ウォーと比較してしまう自分がいるのかもしれません。

・エンドゲームの戦闘は既存作品との被りばかり
また、エンドゲームの戦闘はどれも既視感のあるものばかりでした。
エイジ・オブ・ウルトロンではヒーロー同士の特徴を掛け合わせてコンビネーションで戦うという見せかたが本領を発揮し出していて、超興奮しました。
シヴィル・ウォーでは、ヒーローVSヒーローという構図が新鮮でした。
インフィニティ・ウォーでは、初対面のヒーローたちが結束して、たった一人のサノスに立ち向かう戦闘シーンがめちゃくちゃかっこよかったです。
あのシーンなど、特技を掛け合わせたコンビネーション戦闘においては映画界一じゃないですか?
そんなふうに、これまでのシリーズでは、なにかしら新鮮味のある戦闘シーンが挿入されていたのですが、エンドゲームは既視感のあるバトルシーンばかりだったじゃないですか……。
そこが少し退屈なところでした。
シリーズが20作を越えているので、そういう被りが出てしまうのは仕方がないことだとは思うんですけどね……。
逆に20作も、よくも斬新な作品を出し続けてきたなって話だし。
ほんとにすげぇよ……。
また、本作は戦闘を魅せる作品ではないという見方もできますし。

・戦闘シーン的には映画館で観なくてもいいのかも……
ただ私、映画館にアクション映画を観に来たからには、めちゃくちゃかっこいいバトルを観たいタイプの人なんです。
通常の倍近い料金を払ってIMAX3Dで観てしまったし……(笑)。
こういうシリーズものって、戦闘シーンをめちゃくちゃに詰め込めるエピソードが人気を得る傾向が強いみたいなんですよね。
ヱヴァの新劇場版でも、今のところ『破』が一番好きですからね、私は……。
スターウォーズや指輪物語も、バトルが多いエピソードが人気を集めていて評価が高かったりする。

もちろんシリーズものの最終作としてはとても優れた出来になっているとは思うのですが、劇場で観た時の興奮度という点では、インフィニティ・ウォーでしたね……。

・インフィニティ・ウォーの映像は圧巻の美しさ
あと、斬新な・観たことのない映像という意味では、インフィニティ・ウォーの最後の、みんなが消えていってしまうシーンの美しさって尋常じゃなくないですか……?
BGMも鳴らさずに、効果音だけが響いているとことかもほんとによかった……。
特にスパイダーマンの消えっぷりと、その後のスタークの表情が最高でした……なんなんだあの光の具合。
明るい大草原と、茜色の廃墟の星……色合いもほんとよかったと思います。
エンドゲームのラストバトルは画面が暗いですよね……まぁ、全宇宙の運命がかかった戦いなので、暗くせざるを得ないんですけど。
いや、エンドゲームが嫌いなわけではなくて、インフィニティ・ウォーが良すぎないあっすか!? というのが私の言いたいことの根本にあるのです。

・サノスの無害おじいちゃんぶりがめっちゃいい
サノスの登場シーンはすごく良かったんですよ。
仕事をリタイアして、田舎で余生を送っているおじいちゃんっぽかった。
鎧をかかしみたいにしていたり、すげー粗食な暮らしをしていたり、片足を引きずりながら階段を上っていったりとか。
鎧を十字にした木に括りつけているのはキリスト教的なモチーフがあるのかな。
私にはわからないっすけど……。
サノスに感情移入をさせないようにしていたら、サノスのあんな暮らしぶりを見せたりしないんですよね。
食事の邪魔をするのって悪役のすることですしね、通常。
パンフレットを読んでみると、コミックの方では、インフィニティストーン集めが上手くいかず、疲れ果てて農夫になってしまうエピソードがあるのだそうです。
そんなおじいちゃんをやっちまうのかい!?
っていう衝撃がありました。
で……やっちまうんかーーーーーーい!!!!

・衝撃の展開という意味ではエンドゲームも引けを取らず
その後の、まじで世界が壊滅してしまうという展開もよかったのです。
5年後……という時間経過が文字で表現されているところ、唖然としてしまいました。
自分達の過去に戻っていく展開もすごく面白かったです……。
ドラえもんで、のびた君がおばあちゃんに会いに行くエピソードみたいでほっこりしました。

予告編を観てみると、うまくネタバレを避けて作られているのが面白いところ……。
消えた人たちが復活するようには描かれていないこと、過去に戻ることが読み取れないことなど。
また、サノスの登場シーンがほぼないので、映画を観始めて冒頭でサノスが首ちょんぱされたあとにまた登場してくることが予測できません。
だからこの予告編を観ていた人でも、死んだサノスが何らかの形で再登場するとは思えない。
戦略の作り方がうまい……。

・二部作のラストバトル比較、サノスのしょぼしょぼ化
ただ、その後のバトルがやっぱり気になるところ……。
自分達のルーツと向き合って覚悟を決め直した三人がサノスに挑むところはほんとよかったんですよ。
それでもインフィニティ・ウォーでのチーム戦の方がカッコよかった気はするのですが……。

だって、星落としますか!? バトルで!
で、クイルの暴走のせいで、サノスに勝てそうだったのに結局負かされてしまう流れの「いけるの!? いけないの!? どっちなの!? アイアンマン頑張ってくれ!!!!」感ったらなかったじゃないですか……。
みんながやられてしまって、アイアンマンだけでサノスを攻撃を耐えきろうとするところのはらはら感は、これまでの映画の中でもマジでトップクラスでした……。

最後の最後の総力戦のところは、インフィニティ・ウォーのほうがかっこよかった気がします……。
なんかここまで来ると「まぁ言うても勝つっしょ」感があったというか。
あとこの辺でサノスが、急に、ただのよくある敵ボスキャラになってしまった気がして……。
「私は絶対だ」を繰り返すとことか。
インフィニティ・ウォーはサノスが主人公だという意見をよく聴きました。
そのくらい、ヴィランにもかかわらず信念を貫き通していて、しかも彼の言葉を聴いていると共感してしまう部分もあった。
こちらのサノスはそんなにでもなかったっすね……。
もちろん、ヒーロー映画として、悪役が正しいのに倒さなければいけないなんて破綻した展開にはできないと思うので、もとよりこういう方向で進めていく構成だったのだとは思うんですけど。(いや、相手も正しいけれども倒さないといけない、というストーリーもあると思いますけどね)
でも悪く言えば、こうなってしまうとサノスが正しく見えること自体が張りぼてだったというか、こけおどしのようにも思えなくないっす……。

・インフィニティ・ウォーの夕陽と朝陽
最後のシーンとか、ブラックパンサーでのワカンダの夕陽と対になるように作られているはず。
ただ、ブラックパンサーでは夕陽でしたが、サノスが見るのは朝日なのだそうで、革命をし損なったヴィランと、成功させたヴィランという明暗の別れがありますね。
そう考えると、スタークが燃えるような夕焼けを背後にしているのは、その後のサノスの姿と対になっているんですね。
夕陽は敗北の象徴となっている。
ここでサノスの対として描かれたからこそ、最後に賭けに出るのはスタークなんですね。
泣ける……。

・そこに怒りがあるのか
また、キルモンガーとサノスどちらも暴力も辞さない改革を目指していましたが、思想的な違いで言えば、前者は怒りを原動力として戦いを挑んできましたが、インフィニティ・ウォーでの後者はどこか「悲しみ」「諦念」を感じさせる表情をしていることが多くて、そこがなおさらただのヴィランとの違いを醸し出していたと思います。
面白い人やでぇ……。
悪役の言うことも一理あるんじゃね? という流れをシリーズ内で確立したという意味では、ブラックパンサーの貢献度ってかなり高いっすね……。
インフィニティ・ウォーでヒーローが負けた要因を考えてみると、「怒り」「復讐」に駆られた二人の男の存在があります。
クイルは愛するガモーラの命を奪ったサノスの顔を衝動のまま殴りつけて、自らが立案した最高の作戦を失敗させます。(ガントレットを取るんじゃなくて腕切っちゃえばいいんじゃね? という質問は無粋!)
ソーは同胞たちを目の前で殺されたことへの怒り、ひいてはパワーアップして自信を付けたのにもかかわらずコテンパンにやられた悔しさから、サノスをすぐに殺さず/ガントレットを奪わずに、斧を突き立てて苦しめる。
その隙を突いたサノスは指パッチンを鳴らし、計画を完遂する。
サノスの指摘通り、ソーは本来の目的を果たすべきだったのに、自分の感情に囚われたために失敗してしまう。
あ、ドラックスも味方を省みずに先走ってしまうとこはクイルと一緒だけど、ドラックスの行動は作戦成功の可否に関わらないのでカウントしてません。
サノスは明確なヴィジョンを思い描いているから、冷徹に計画を進めていけるんですよね。
本来リーダーとして信頼できるのはサノスの方だったりするのかも。
ファシストだけど。
いや、けど差別的な思想は一切ないから、レイシストではないんだよなぁ……。
いや、自分が消えないという時点で、自分優位な思想を持っているということにはなるのかな。ムズカシイ……。
「善玉が勝つという点で、映画を観る人は結末が読めてしまうということに12作目あたりで気が付いていた」と、製作総指揮のケヴィン・ファイギは語っているので、そういった作りは意図的なものだったのでしょうね。
ブラックパンサーと、ライアン・クーグラー監督についても語りたい……クーグラー監督の映画は全部泣かされてしまうんですよ……。

・やっぱサノスはすごい
スタークをやったあと、サノスは彼の頭を撫でて、「よくやった」と言う。
ヒーローが子ども扱いされているのです……。
やっぱりサノスは、インフィニティ・ウォーでは、これまでにないヴィラン像の確立に成功しているんですよ。
人間味があるというか、ただの悪ではない感がめちゃくちゃ強い。

なんだろう、サノスの理屈に正当性もある程度は感じてしまう人間としては、「世界の半分の生物を消す。で、消された方は、消された人の記憶を失って、初めから世界がこうだったということになってしまう」といったやりかただったらうまくいったんじゃない?と思ったりとか。
あのやり方だと、「人が半分消滅した」というショックによって世界が混乱に陥ってしまったと思うので……。

・引継ぎ先が黒人ばっかりでは……?
もろにネタバレですが、キャプテンが盾を受け継いだのは黒人だし、ソーがアスガルドを任せたのも黒人なのも気になりました。
いや、俳優が黒人なだけであって、キャラクターそれぞれの出自が違うことは理解してます。
それに、黒人と言っても細かくルーツは異なっているはずなので、僕が知らないだけで、今後物語を展開するにあたって適役なのかもしれませんが。
でもマーベルのシリーズにはすでにブラックパンサーという象徴的なヒーローがすでにいたりするし、スパイダーバースでは黒人少年のマイルスが主役をやっているし……
黒人主人公の比率めちゃめちゃ増えちゃわない? という想いがちらっとよぎったのです。
いや、彼らを主人公に据えてのシリーズ展開があるかはわからないですけど、アメリカでもアジア人の比率増えまくっているのだから、もうちょっとこう……アジア人に引き継いだりしても良かったのでは? と思いました。
ドクター・ストレンジではアジア系の男性が相方として配役されていたりしますし。
まぁシリーズ展開を進めていく中で、黒人を配役していたら、アジア人の比率が増えてしまうということもあったのでしょうけど。
うーん、僕のタダのイチャモンでしかない気もしますけど、気になったことは事実っす。

・他、所感
あとは
「私はアイアンマンだ」
という最後の台詞は、最初のアイアンマンのラストの台詞と対になっているのかなと思いました。
あと、物語のはじまりも、スタークの顔のアップが良かったですね……。
シリーズがスタートしてから10年が経って、一人の男が老いていることがよく表れている。
ヒーローたちが疲弊しきったところから物語が始まることも伝わってきます。
いや、細かいところを言えば、良いところはめっちゃあるんですよ。
コメディ描写はほんとに全部笑いましたし、僕。
ソーがネトゲ廃人になってるとことかやばかったですよね……(笑)。
大好きな映画には違いないのです。ほんとだよ。

・もちろん非常に上手く仕上げてはある
本当はもっと長かったものを、カットしまくって3時間にまとめたといういきさつがあるので、気になるところがちょいちょいあるのは仕方のないことだとは思うんです。
むしろうまくまとめあげられているはず……。
映画としては普通に面白かったし、マーベル映画の中でもトップレベルのクオリティだけど、インフィニティ・ウォーが良すぎた感があります……いまだに。
けど、ダークナイトで期待値上がりまくって、ライジングで肩透かしを食らわせたノーラン版ダークナイトシリーズよりはましかな!(いや、嫌いじゃないけど……)
もう一回くらいは映画館で観るつもりなので、そしたら感想も変わるのかもしれないっすね。

・スパイダーマンの予告編、台無しにしすぎ説
あと一つ、スパイダーマンの新作の予告編がガンガン流れてるから、「いや、お前復活するんじゃん……」っていうのがばればれだったのもつらかった……。
別宇宙みたいな話になるのかな? とも思ったのですが、これはきついっす……。
エンドゲームの上映前の予告編でもスパイダーマンが楽しそうにスクールライフを送ってるところを見せられてるんで、なんか鑑賞前からちょっとサガりますよ(笑)。

おわり。

 - 映画

Comment

  1. 気になる名無しさん より:

    黒人差別のクソ野郎で草
    引継ぎ先が黒人で何か問題あるんすかね

    • gntnk より:

      返信が遅くなり申し訳ありません。
      コメントありがとうございます。

      文中でも書きましたが、アメリカでもアジア人が増えているので、
      黒人だけじゃなくてアジアルーツのキャラクターの活躍を予想させるシーンがあってもよかったのではないかと思っただけです。
      引継ぎ先が黒人だと問題があるとは思っていません。
      ただこの後のMCUでは、新しいキャラクターとして白人黒人アジア人だけではなく様々な人種が登場してくる予定のようです。
      なので私がこのエントリで書いたことはただの杞憂で、
      MCU製作人はもともとそういったバランスも考慮しながらシリーズを進めていくつもりだったのだと思います。

      あと気になったのが「黒人差別のクソ野郎」といった言葉遣いです。
      見知らぬ相手を「クソ野郎」と呼ぶのは乱暴だと思います。
      そういう言葉遣いはしないほうがいいとお父さんやお母さんとか、幼稚園の先生とかから習いませんでしたか?
      今後控えたほうがいいと思いますよ。

  2. いのぴお より:

    サノスがエンドゲームで小物に見えるのは意図的だと思いますよ。インフィニティーウォーのサノスは大事な娘であるガモーラを失い、自分の過去を乗り越え、ストーンをゲットし、信念を持ったラスボスになってます。しかしエンドゲームでは何も失っていないからペラペラのラスボスになっている。そしてそこから勝ちが生まれたと思います。分かっていたら申し訳ないです。1年も前の投稿につっかってすみません。

    • gntnk より:

      いのぴおさん
      コメントありがとうございます。
      確かにおっしゃるとおりで、エンドゲームのサノスはまだ犠牲を払っていないサノスですね。
      言われてみるとペラペラなのも納得がいきます。

      私自身、エンドゲームについて批判的に書きましたが、
      このエントリを書いてから鑑賞してみてすごく楽しめました。
      三度目の鑑賞の際にはいのぴおさんが書いたことを踏まえたうえで咀嚼してみます。

      コメントいただけて嬉しいです!
      つっかかってこられたなどとは微塵も思っていません!
      またぜひ読みに来て頂けると嬉しいです。

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