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「お腹を痛めた子だから」

   

12月に読み始めた利己的な遺伝子を、まだ読み終えることができていない。
550ページほどある本である。
途中途中で他の本を読んだりしているので中断期間はあるが、(かか、推し燃ゆ、コンビニ人間、レッチリのアンソニーの自伝などを読んだ)まぁそれにしても全然進まない。
生物学の知識が全くない状態で読もうとした俺が悪い。
ただそれでも、読んでいると、考え方についてはとても面白いものがたくさん書かれているので、蒙を啓かれるようなものが多い。
こういう、専門分野にしては有名な書籍一冊読んでわかったふりをするのはよくないと思うので、本来であれば、同じ分野で意見が異なっている書籍複数冊を読んで、「どの説が信憑性に足るものなのか」を判断し取捨選択できるようになるまで学ぶべきだと思う。本心では。でも僕の集中力と読書スピードと、人生に残された時間から逆算すると、生物学について複数冊の本を読むことは諦めなければいけないだろう。
しかし、いろんな分野の「入門」っぽい本をいろいろつまみ食いしていくような人生もあるんだよなーと思う。
でもそれでは、某芸人の「大学」YouTubeみたいに、その本は眉唾なんだよ!と突っ込まれまくるような道が待っているかもしれない。
どうしたらいいんだ…でもドヤ顔でひけらかしたりしなければ、間違っているところがあっても、「そこはこうなんだよ」と優しく指摘してもらえるかもしれないよなぁ。
優しい指摘を信じて待つ道もあるのかもしれん。

一月の時点ですでに書いたような気がするが、雄が子育てに参加しない動物が多いのは、雌は自分が産んだ子が「自分の子」であることがわかるのに対して、雄はつがいの雌が産んだ子が自分の子であるとの確証を持てないケースが多いということに起因している、という説を読んだ。私的にはめっちゃ納得のいく説である。
遺伝子は、自分と同じ遺伝子を増やすことに主眼を置いているので、「自分の遺伝子を継いでいる個体」が生まれたら、その個体を成体まで育て上げて、子が繁殖できるようになることを望み、そうなるように行動するよう仕向ける。(生物は基本的に、「遺伝子の入れ物」なのであることが前提としてある)
雌は、自分が産んだ個体は往往にして見分けがつく。
つきにくい場合もあるが、概ねつく。(利己的な遺伝子では、ほかの種の鳥に自分の子を育てさせるカッコーのことがよく書かれてた)
それは、その子が自分から生まれてくるのを実際に目視できるから。自分から生まれてきた子が自分の子ではない、なんてことはほぼない。
対して雄は、交配をしてから子の誕生まで時間が空くのが常であり、雌が産んだ個体が確実に自分の子であるという確信が持てない。他の雄と交配していないとは限らないのである。(動物のペニスに「カリ」があるのは、他の雄の精子をかき出すためなのだという説もありますね。利己的な遺伝子では書かれていなかったはずだが)
そんなわけで、雄は「自分の子」を持った実感を持ちにくい。
加えていうなら、雄は繁殖にあたり、精子しか提供しない。精子は安価で大量に作ることが可能だ。
対して雌は「卵子」という生成に大きなエネルギーを要する掛け金が必要だし、哺乳動物の場合には長い妊娠期間中は子を守らないといけないし、行動の制限がかかるし、お腹の子に栄養の供給を続けなければいけない。
雌は往往にして、雄と比べて「高い掛け金が必要」となる。
雄は少ない掛け金で、多くのテーブルに賭けることが「遺伝子を増やすための最も効率の良い方法」になる。また、雌は妊娠から出産までに時間を要するため、多くの雌に子を産んでもらえれば遺伝子は、自身と同じ遺伝子を増殖させることができる。(もちろん、一体の雌とつがいになる哺乳動物は多い。その辺の戦略性に継いての面白い考察も書かれている)
雌が交配相手を慎重に選ぶのはそういった理由もあるのではないか、という説もあった。この雄は自分の子の成長に、必要な投資をする雄であるかを見定めなければいけないという。おもろい。

この話が面白いので、誰かと家族関係の話になると、利己的な遺伝子を引き合いに出していた。
で、母親が自分の雌の子(娘)にこだわりを強く持つのは、雄の子(息子)が成長して、パートナーと子を持ったとしても、雄の子が作った子は自分と同じ遺伝子を持っているか確証を得ることができないが、雌の子が作った子は高い確率で自分と同じ遺伝子を持っていると思えるからだ、という話をよくする。
親世代が雌の子には「早く子を持つように」急かすのに対して、雄の子にはそのようなプレッシャーがあまりかからないのには、そのような要因もあるのではないかと思うようになった。

もちろん自分も読んだ本の内容を全て覚えているわけではないし、相手の反応に合わせてどこまで話すかは考えるのだけど、「雌の親の方が子を自分の子だという実感を強く持つ」という話をした時点で、二人に一人ぐらいは、「お腹を痛めた子だってことだね」と合点する。
僕としては「お腹を痛めた」ことが大事なのではなくて、あくまで、母は、自分が産んだ子を判別しやすいという状況があり、雄も雌も共通して遺伝子は「自分と同じ遺伝子を持つ個体を増やす」ことが主目的なのだと言う話をしたかったつもりだった。そのための方法として、雌の子が子を産むことで目的を充足させたと思えるのではないか、という話をしたつもり。
ただ、「遺伝子は自分と同じ遺伝子を増やすことが主目的なのだ」という前提を話してはいなかったかもしれない。
人に話すときは「本能」という言葉を使うことも多いな。これが誤認のもとなのかもしれない。
ただ、同じ文言なのが面白いなと思った。
「自分のお腹を痛めた子」という言葉の効力デケーな、と思った。興味深い。

多分だけど、「母性」って言葉を強く信じたい人にとっては、自分の話した内容から、「母親はお腹を痛めて子どもを産むから、自分の子が可愛いのだ」と思ってそのような言葉に至るのだろうなと思う。
自分は母親に守られたという意識があんまりないまま生きてきている。
子どもの頃から母親からの干渉を疎ましく思っていたと思う。(いくつも具体的に嫌だった記憶が思い浮かぶが、口にするのも嫌なような内容なので書かない)
多分僕は、母性を幻想だと思っている。

特にオチはないんですけど、たまたま僕が聞いた「お腹を痛めて産んだってことだもんね」という言葉を、その言葉を口にはしない人たちはどの程度信憑性のあるものと感じているんだろう。

・今日聴いた曲
母性を感じさせる歌曲の筆頭。
坂本龍一さんとの結婚と、長女を出産した後に作られた曲。
赤ちゃんを抱っこしている情景を歌っていると思う。
赤ちゃんを抱っこしていたら、電話が鳴ったのでそれに出るために少し離れるという、どうでもいいことを歌っている。
曲の途中から入るキックの音は心臓音を模したものだと思う。
母性的やなぁ、と想いはするのだけど、この曲で歌われているであろう美雨さんは、思春期にナインインチネイズルのCDを所有していたが、「母に勝手に捨てられた」と大人になってから語っていた。
結局のところ「母性」という言葉は定義が曖昧だし、おそらく人によってその性質の解釈が異なる。
まぁ、母性も父性もないとは思いますよ。
ただ生物学的に、雄親と雌親で役割が違うことは往往にしてあることなので、人科の雌親がどんな行動を取りやすいのかを見極めることは可能かもしれないな、と思う。
とはいえ人は多様な生き物なので、人による、と言うことで落ち着きそう。
言語の低語が曖昧で共有されていないから、言葉にめんどくさい意味合いが課せられてめんどくさくなっていくんだろうなと思う。

 - , 文化, 日記,

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