竹原ピストルさん、高畑勲さん、ツール、3年ぐらい前の思い出 220929
3年ぐらい前に、「高畑勲展」が開催されていたので東京国立近代美術館に行った。
美術館はガラガラだった……。
みんな高畑さんのことはそんなに関心がないのだろうか。とか言ったら失礼でしょうか。
宮崎駿さんの展覧会が開かれたら、多分大盛況なんでしょうね。
展示会自体は高畑さんが亡くなる前から企画されていたが、開催は亡くなってからとなってしまったとのことだった。
高畑勲展はとても良かった。
図録を買ってある。そのうち読み切らなければいけないが、現状としては1ページも読み進めていない。ファン失格である。俺はいろいろなものの資格を失しながら生きている気がする。
高畑勲展が開かれた竹橋の駅には地下鉄で行くことになるのだけど、僕は地下鉄を使うのが好きじゃなくて、この時も、東京駅から、この美術館まで歩いてみることにした。
30分ぐらいでしょ、とたかをくくっていたのだった。
45分ぐらい掛かった。
やたら信号を渡らなくてはいけなかったことも、長く時間がかかった要因の一つである。
この時に、ツールが新作のリリースに合わせて過去作もサブスク解禁したタイミングだったので、ツールを聴きながら歩いた記憶がある。
ツール新作リリースとテイラースウィフトの新作リリースのタイミングが被っていた。
ツールの新作リリースは14年ぶりぐらいのことだが、ファンに待ち望まれていたものだったので、テイラーの首位獲得の対抗馬としてニュースになっていた。
テイラーのファンはツールの存在を知らないものが多数だったようで(なにせ14年間リリースがなかった)、「なんなのその変な名前のバンド!」という阿鼻叫喚めいたツイートが溢れていたと聞いた。おもしろい現象。
日本で言えばXjapanがニューアルバムを出すという現象を考えればいいだろうか。でもこちらは、バラエティとかにはずっと露出し続けているしかなぁ。
Xジャパンはもう何年もずっと、「ニューアルバムは90%以上完成している」と公言しているらしい。
ただいっこうにリリースはない。
大変ですよね、創作というものは。
東京国立近代美術館には、昔付き合っていた女の人と、付き合う前にポロック展を観に行ったような……そんなことはなかったような気がする。記憶にないって悲しい……。
でも、ストーン・ローゼズのジャケットアートはポロックに影響を受けているのだ、ということをどこかで見聞きした記憶と結びついているので、ポロックも見たんじゃないかな……気のせいだろうか……。脳が死んでいる。
昔創作していた頃、創作物の制作作業を無償で手伝うと申し出てくれた人と、毎日新聞社ビルが入っているやたら老朽化しているビルのスタバでお茶を飲んだ記憶がある。
彼女は若き人妻であった。
「なんか創作物の手伝いをしてくれないかなって話に持って行けないかな」と思っていたら、相手から、「人手(スキル)足りてないですよね。私も自分で制作しているから、いろいろお手伝いさせてもらえないかなと思って。報酬は要らないので」というあり得ないぐらいの素晴らしい申し出だった。彼女は神だったのではないか。
あぁ、なんかいろいろ思い出してくるな……。
結局彼女にも報いることができていない。自分の人生には、報いることが出来なかった記憶が無数にある。
誰かに「報いることができる」という姿勢を見せることも止めよう、と考えるようになって久しい。遂げることのできない約束は罪だ。
あ、ポロック展に行く前に、近くのお店でカレーを食べた気がする。
「私、日記を毎日書いているんだけど、田中とのことで(年下なのになぜかこの人は名字呼び捨てで僕を呼んでいた)『アンビバレント』って言葉を書いた。書いてから、言葉の意味が合っているかわからなくなって辞書を引いたら、アンビバレントの意味を私は間違っていたと知った」ってことを話してた気がする。
もう13年ぐらい前のことですか……。
また東京駅から、竹原ピストルさんのライブを観るため、神奈川の海の突端に位置する街のホールに行った。
東京に行くときは、用事を二つ以上入れるようにしているのだけど、神奈川のライブ会場に行くのであれば、別に「ついで」にならなくないか? と今では思う。
駅から会場に向かう中に、派手なTシャツを着た、ちょっとゴツめの中年男性がいた。
頭にタオルを巻いていた。
Tシャツの柄をよく見ると、僕の父がプリントされていた。
僕の父は過去に人前に立つような仕事をしていた。
その仕事は現在でも好きな人は好きなようで、それは理解するが、まさかTシャツを持っている人がいようとは。
多分竹原ピストルさんのライブに行く人だろうなと思った。
会場でもその人を見かけた。
話しかけようかと思ったけど、ホールでのライブだったので移動の自由が利かなかったし、特に僕はなにもしなかった。
今考えると、「あなたの着てるシャツにプリントされている男の、息子です。見かけてテンション上がっちゃいました」でいいのにな、と思う。
まぁ人生そんなもんだ。
でも後にも先にも、自分の父親がプリントされたTシャツなんか見たことがないので、なんか今思い返してもおもしろい体験ではある。
ピストルさんのライブはまじでめちゃくちゃ良かった。
また観たい。
『たとえばヒロ、お前がそうだったように』という曲が一番好きなのだけど、これは実際に竹原さんの知り合いだった人について歌われているもの。
『永い言い訳』で共演したもっくんも、この曲を歌マネしていた。多分僕だけでなく、多くの人の胸を打つ曲なのだと思う。
ただ、現在はあまりライブで披露していないもよう。
多分封印しているんじゃないかなー、と思う。
でもいつか聴きたいなー。
竹原さんの曲って、弾き語りで完成されているものなので、音源になるとちょっとダサかったりするのだけど、この曲は、荒々しいアレンジがとても合ってる。
・今日聴いた曲
今日聴いてないけど。
ソロになる前に組んでいたデュオ野孤禅の、北海道の狭いアパートに住みながら音楽活動をしていた頃のことを歌っているとライブのMCで話していた。
その話を聞いて、なんか、より好きになった。
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