てやんでい!!こちとら湘南ボーイでい!!

映画音楽本ごはんの話を、面白く書けるようにがんばります

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「ずっとひとりだったんじゃないの?」「自分が何者かもわからないですよね?」「ひとりはさびしいよ~」 220907

   

人類は衰退しました、8巻読了。
こんな展開になるとは思わなんだ。また泣かされました。

9巻のあとがきだけ先に読んでしまったのだけど、半分くらい田中芳樹の話してて笑った。
「あのシーン大好き。泣かないんだよな」
多分、「泣ける」という言葉がここ20年ぐらい(多分セカチューがこの言葉の火付け役かなと思う)もてはやされているが、それに対しての冷や水だと思う。「泣かないんだよな」って言葉が大好き。
田中ロミオさんの言語感覚って本当にすごいです。
コラムのタイトルが『世相を斬らない!』ですよ。「世相を斬る」のパロディなのはわかると思うんですけど、「斬らない」って、何も意味していないじゃないですかこの言葉。はあ。愛。

8巻の内容に戻ると、『トゥモロー・ワールド』とも通ずるなと思った。
衰退している人類が、新しい命を世界に迎えようとするエピソード。あー。クソ、最高。最高だ。
人物への印象が反転する。あー。
でも「母親から見た子」の描写って、これもクロスチャンネルよねぇ。あぁでもそれにしても面白い。
5巻で、主人公自身の幼年期のエピソード、7巻で主人公が先生として子どもを見るエピソードがあったので、8巻での「ヤンママ」のエピソードも光るように構成されていたのだなとわかる。
「子どもたちが、自分たちに存在が世の中に祝福されていないと感じている」といった趣旨の発言を宮崎駿さんがもののけ姫を作っていたころにしていた。
田中ロミオさんも、子どもが世の中をどう見ているのか、と考えていることが伝わってくるようです。
エロゲーのシナリオライターさんとして田中ロミオさんのことを知ったけど、自分が敬愛する作家の条件を備えた人だったのだなと、存在を知ってから15年ぐらい経ってやっと気づいた。
田中さんすごい…はぁ…すごすぎる。

7巻終盤と8巻の展開は、3.11を思わせるものがあったと感じたのだけど、物語全体の構想は2011年以前からあったと思われるので、果たして自分の推測が当たっているかはわからん。
でも、「大人がみんな夢に夢中」なのはネットとかSNSについての話ですよね。
田中さんらしい風刺が利いてて面白かった。
9巻でどんな風に終わってしまうんだろう。
この物語を読み終えてしまうのが惜しい。寂しい。
やっぱり、長い物語の終幕が近づいてきた時の、独特の虚しさってありますよね。
ラノベとかエロゲーとかギャルゲーにありがちです。多分自分が、そういう物語を欲する身体になっているのだと思う。


ソニックの映画を観た。
1がわりと好ましかったので、2もまぁまぁ期待して観た。
まぁまぁ面白かった。
でも2時間越えだったので、もうちょっと短くしてもよかった気はする…まぁ、もちろん作り手も短くする努力はするはずなので、頑張って頑張ってこの尺になったのだろうけど。
ナックルズのキャラが面白かったけど、ソニックとの関係性の変化がもうちょっと納得いく感じになってたら良かったなと思った。
テイルズとの関係はとても良かったと思う。
アメリカでのソニック人気の高さってほんとにすごいんですね。
1は多分、ソニックを「移民」として描いていたと思う。
同じ時期にやってた、トムとジェリーの実写版でも、トムとジェリーを移民と見立てて作ってたと思う。
やっぱり海外の作品って、子ども向け作品でも、社会的なイシューをテーマにしていることが多い。
日本の娯楽作品が特異なんだよな、と思う。

ところで、海外だとキリスト教の影響か、人間と、人間以外の動物の交配は完全にNGとされることが多い。
ソニックが海外で人気が出ていたころ、ソニックに人間のガールフレンドを登場させるというアイデアが上がったらしいが、アメリカのスタッフに「絶対にやめておけ」とくぎを刺されたため、没になったという話があるもよう。
そうなると『おおかみこどもの雨と雪』とか、どんな風に需要されているんだろうと思う。

川崎のつけ麺屋に行った。
そもそも先週ぐらいに「肉しょっぱすぎた」と書いたのが『三三七』という店舗だったのだけど、これの姉妹店が同じく川崎にある。
『赤備 玉』という名前。こちらは駅から徒歩3分ぐらいなので、何度か食べに来たことがあった。
しかし年を取るごとにどんどん、味の重さに参るようになってきて、食べ終わると「もう中年男性の俺には手に負えん油の量だ…死ぬ…二度と食いたくない」と思う。
でも川崎に来ることなんてそんなにないので、他の店を発掘するのもおっくうなので、何かあるとこの店に来てしまう。
今日もまたこのお店に来たのだけど、まぁ、重かったし気分が悪くなった。
もう二度と行きたくない…。
でも「油ものを食べられない自分」を受け入れるのが嫌だ。
確か『ねじまき鳥クロニクル』にあったと思うのだけど、ハゲを隠したい男の心理は死に近づいていることから目を逸らしたいのだとかいう考察を登場人物がしていた。
油ものを消化できなくなった=肉体の機能が低下し一歩一歩死に近づいている。
素直に野菜中心の食生活にするべきなのだろうなとも思う。

・今日聴いた曲
アジカンのアルバムを借りたので聴いてた。
アジカンのアルバム、出るたびに一回は聴くのだけど、毎回1つか2フレーズぐらいしか頭に残らない。年取るとつらいですね、こういうの。
テクノっぽいドラムが面白いなと思った。この曲。

 - 日記

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