自分に憧れて業界に入った妻が神がかり的シゴデキだった場合 220908
横浜の図書館に行って、人類は衰退しましたの番外編2冊と、田中ロミオさんが解説を寄稿したライトノベルを1冊借りた。
人類は衰退しましたは、まだ最終巻を読み終えていない。ドキドキする。
でもそんなに、壮絶な最期ではなさそうな気がする。
世界がひっくり返るようなものではなさそう。嗚呼。
少し昔に書かれた田中ロミオのネット上のインタビューを読んでいたら、エロゲーシナリオライター出身者のライターさんが書かれたライトノベルに後書き解説を寄稿していることを知った。
図書館の蔵書を調べたらあったのでせっかくだし借りた。好きな人が世の中に公表したものは全て読んでおきたくなる。
本編を読むかどうかはまだ決めていないけれど、せっかく借りたし、ご縁だし、読んだ方が良いような気はしてきている。
ここで書名と作家名を出さないのは、これから書く内容が失礼なものなので、ネット検索を避けるためです。
この作家はエロゲー業界では名の知られた人で、熱心なエロゲーファンではない僕も名前は存じ上げていた。(エロゲーのタイトルと原画家には詳しい。エロゲー雑誌を10年ほど毎月購読し、シコる時に使っていたので……(#^_^#))
で、この人に憧れてエロゲーのライターになったという女性がいて、この作家はその女性と結婚したというのがもっぱらのウワサだった。これは公表されていないものの、作家のブログなどで、妻がエロゲーや小説を執筆する人間だということはほのめかされているので、かなり信憑性は高い。
いや、もっぱらのウワサというより、ネットで知り合ってセックスしかけた女性にそう教えてもらった。
彼女は大学で映像を学んでいて、自身も短編映画を撮っていた。
彼女が撮った映画のプロットを話してもらうと、「女性主人公、男から半ば強制的に性的な関係を結ばされるが、次第に主人公はその関係に溺れていく」といった内容のものばかりであった。
それを指摘したら殴られた。彼女は元気にしているだろうか……。
話が逸れた。
この妻にあたる女性は、エロゲーシナリオライターとしてデビューした後ライトノベル作家になる。
ライトノベル分野では上下巻の比較的コンパクトなシリーズを一作出した後に、めちゃくちゃ人気が出たシリーズを連作で発表する。アニメ化もされた。一般層にも人気の高い作品となった。この時アニメ化をしたクリエイター陣はチームを組むようになり、このチームが後に制作したオリジナルのアニメシリーズも大ヒットし、「泣ける」で有名なアニメとなった。これも一般層で大きく支持を得て、実写ドラマ化もされた。(ドラマは誰も観てない印象)
その後に妻氏が出したシリーズも、前作ほどのヒットとは成らなかったが、これもアニメ化されて人気を博した。
それ以降、ライトノベルレーベルから離れて一般文芸として作品を出すようになる。(一般側がライト寄りになったようにも思うが)
そちらでも評価を確立していて、作品は映画化されたりもした。(映画はそんなに人気がないっすね)
僕も映画化された作品を図書館で借りて読んだけどめっちゃ面白かったっす。泣いた。良かった……。
対して、作家氏は、ここ数年、あまり目立った仕事がないように思う(失礼ながらも)。
数年に一度エロゲーのメインライターを務めているが、小説はあんまり書いてないもよう。
エロゲー業界自体が萎んでいき、エロゲーのライターはもちろん、企業としてもソシャゲ作りに移行したところや、アニメ業界に軸足を移した人が生き残っている印象。(エロゲ界隈を数年以上ウォッチングしていないので実情とは異なるかも知れない)
自分を慕って業界に入ってきた妻氏が、業界出身者としては最高クラスの成功を収めており、現在でも活躍している中で、自身があまり仕事していないようであると、この作家氏がどのような心境なのか、ちょっと気になったりします。
『イカとクジラ』という映画がある。大学生の頃に初めて、たまたま存在を知って観賞した。
「良いマイナー映画に出会えたぜ……」と、あんまり人に触れ回らずに愛していこうと思っていたら、日本公開当時から一部で話題を呼んでいたみたいだった。
そもそもそんなに映画作品を漁っていない自分が巡り会う時点で、すでに「話題」にはなっていると考えるのが妥当である。
その後監督はハイペースに作品を製作し、順調に評価されていって、『マリッジ・ストーリー』で助演女優賞を獲得した。
そもそもこの監督は若い頃から小規模映画を撮っていて、キャリアのどこかの段階でウェス・アンダーソンと知り合い、彼の映画の脚本を共作するようになった。
監督の現在のパートナーはグレタ・ガーウィグなので、才気ほとばしるコミュニティが形成されていることがうかがえる。
これはノア・バームバックという作家なのだけれど、そんな彼が、自身の経験をもとにした自伝的作品が『イカとクジラ』ということらしい。
作品のプロット……高校生と小学生の男の子が主人公だと思われる。
男の子達の両親が離婚することになり、家庭の崩壊によってアイデンティティクライシスを起こすといったようなストーリー。
二人は父と母それぞれの家に交代で暮らしに行くようになる。
父は大学で文学を教える研究家で、母は編集者。
関係性的には父親は自分が母をリードしていると思っていたが、母が小説を出版して、それが高い評価を得たことで関係性が崩れていくことになる。虚勢を張れなくなった悲しい中年男性の姿が生々しく描かれる。
母は母で、離婚した後、これまでを取り戻すかのように自由な暮らしを送りだす。
よく出来た映画です。
監督はその後、自身も離婚を経験し、『マリッジ・ストーリー』でも離婚する夫婦を描いた。
監督にとって、離婚というテーマは、よほど強く関心を惹きつける営みなのだろうなと思う。
失礼でデリカシーがないのは自覚しているけど、上述した作家氏と妻氏の関係って、どんなものなんだろうなと思う。
勝手に、この『イカとクジラ』の夫婦みたいな関係なのかなー、とかちらっと妄想したりする。(『アダプテーション』ともちょろっと似てるかもと思ったけど、それはそれ)
作家同士の夫婦ってどんな関係性なんでしょうね。言うても「個人作業」が大半を占める仕事なのだろうし。
川上未映子さんと阿部和重さんの関係とかも気になる。
あちらは関係性について、インタビューとかで普通に語っているけれども。(川上さんと阿部さんの小説、未読です)
図書館に行った後、その足で『鶏喰』というラーメン店に行った。美味しいです。
ただ、こちらも食べにくかった。
食べにくさの理由として、現在矯正中の歯列が、大変食糧を咀嚼しにくい状態であると思い至った。
めっちゃ噛みにくい。
歯を噛み合わせてみても、奥歯の上下の向きがあっていないし、奥歯よりも前に犬歯あたりが接触してしまうので、奥歯で食糧を擦り切ることができない。
十分にペースト化していない食糧が流れ込むことで、胃に負担が掛かってしまい、「ちょっともうこれ以上入れないで欲しいっす」と胃がアラートを上げてきているのかなと思った。
そう考えると、食後に覚える「ダルさ」も、もしかしたら胃腸に疲労が溜まっているためなのかもしれない。
多分この噛み合わせの悪さは数週間で脱することができるとは思うのだけど……
加齢のせいで銀杏が急激に弱まったわけではない、と信じたい。
この時期、歯の大切さがよく分かった。
人間、歯科医療がなければ30歳ぐらいで死んでしまうらしいですね。(人類は衰退しました情報)
食糧を情報に置き換えて考えてみると、咀嚼するのに労力を要する情報って、ちゃんとかみ砕いて飲み込まないと、消化器官でも十分に吸収することができず、「もたれる」感覚だけ残ってしまうなと思った。
柔らかい物ばかり食べていても、噛む力が衰えていって、そもそも噛まなければいけないものに触れなくなるだろう。
高校生の頃の夏休みの宿題で「若者は柔らかい物ばかり食べるし、読みやすい娯楽漫画ばかり読むからイカン」みたいなことを言いたげな文章を読まされた記憶があるので、このような食事と情報摂取を置き換えながら考える習慣がついてしまった気がする。
・今日聴いた音楽
今年のベスストラックは、ビヨンセか、もしくは年始に発表されたこの曲になるのではないかと思う。
ウィーケンドって本当に偉い人だと思う。デビュー当初から「歌いたいこと」が全くないだろうに、ずっと堅実に若い人にもウケる良い音楽を探究しているように思う。
歌の内容は手を変え品を変えているように見せながら、ずっと同じようなことを歌い続けてる。
この曲もめっちゃかっこいいトラックに乗せて、めちゃくちゃ歌ウマで歌い上げてるのに、内容は「恋人との時間も大事だけど俺は俺の時間も欲しいんだ」ということでしかない。
天才です。
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