自分の指を舐める女性と、機械に魂が宿る展開が好き 220820
『人類は衰退しました』三巻読了。
これまでは、一巻につき二つの章が収録されていたけど、この巻では300ページ超えの一章分のみが収録された。
自分の手元には二巻までしかなかったけど、この巻も読んだことがあった。図書館で借りたんだったかな……。
主人公が遭難して脱水症状に陥る様が、長々と描写されていて、読んでいるこっちにも主人公が経験する時間の重みが伝わる内容だった。という記憶があったので、読みながらその辺が蘇った。脱水症状怖っ。と当時も思ったけど、今回読み返しても怖かった。
それにしても、ほとんど内容を覚えていなかった。
その自分自身の忘却っぷりに泣きそうになった。覚えていたい。
でも、「覚えていられること」なんて実際はほとんどない。忘れないための努力をしない限りは。
良い影響が長く続くことを願ってしまうこと自体、費用対効果を高めたいと思いすぎなのかも知れない。
その時読んで面白かったなら、それでもいいじゃないか。と思う。
とは言え、「周りはもっとためになることをしているし、その効果は長く持続するに違いない」と、隣の芝は青く、隣の隣の芝は見えないはずなのに俺んとこより青いはずであると思い込んでしまう哀れな生態なのが俺なのかも知れないとも思う。
余裕が無いんだな俺は。
三巻の最後の方に、まぁネタバレなんですけど、多分今から『人類は衰退しました』を読もうなんて人はいないと思うのでいくらネタバレしても誰も悲しまないと思うんですけど、「機械が意志を持つ」展開が唐突に出てきて、泣きそうになってしまった。(でも図書館の『人類は衰退しました』の蔵書が一冊貸し出し中になってる。面白いですよね、こういうの。「この人はなんで今この本を読もうと思ったんだろう」と思いを馳せる)
機械どころではなく、物体に意志が宿るのでは無いかという展開。
すごい。
田中ロミオさん、博学な方なのは知っていたけれど、人類は衰退しましたを読んでいると、この人はどのジャンルでも博学ぶりを見せつけてくるからすごいなと思う。
脳みそが人間何個分あるんだろう、こういう人って……。
創作するにあたって、特に物語って、作った人間が、物語の背景にどれだけの知識と労力を費やして作ったのかが垣間見えます。
薄い人はとにかく薄い。
薄く軽く仕上げていても、厚みが随所で感じられることもある。
自分が「機械に意志が宿る」という展開大好きマンになってしまったのは、間違いなく、『タイタンの幼女』の影響。
たしか高二のころ、読書という営みに興味があったが、何を頼りに読む本を探せばいいのかわからずにいたのだけど、爆笑問題の太田光さんが「人生で最高の一冊」と、『タイタンの幼女』の帯にコメントを寄せていたことが存在を知るきっかけだった気がする。
で、新品で文庫本を買った。
正直読みやすいものではなかったけど、今でもけっこう内容を覚えている。
家でPS2のゲームをやりながら、休憩として本を数ページ読み進めるという、邪道中の邪道な読み方をしていた気がする。
思えば十代後半ぐらいの時期って、このように、「読みにくい」ものでも、我慢して消化しようとしていた気がする。
それが二十年近く経って、その頃に触れた作品で目覚めさせられた性癖を実感させられたりするから、やっぱりいろんなものに触れていくべきだよなと思った。
ヴォネガットの小説は何作か読んだのだけど、悲しいのにからっとしたユーモアがあって、なんかそれぞれ忘れられないです。嗚呼。久しぶりに読み返そうかな。
女の人が自分の指を舐める仕草ってめちゃくちゃエロいなと思った。
なんか男女問わず、アイドルとか二次元イラストとかで、自分の指を舐める仕草が絵になってることってあるじゃないですか。
それはそういうフェチの人に刺さるだけのものだと思っていたんですけど、こう、「自分の指を舐める」っていう仕草には、不衛生な行動を見てしまったショックとかもあるのかなと思いました。エロいです。
もちろんモロに清潔感がない人がそれをしてても「バッチイやん」と思うのだろうけど、そういう、不衛生さがギャップになる人がするとエロいんでしょうね。
・今日聴いた曲
ジョニ・ミッチェルの1stを聴かないといけないのに、ビヨンセばっかり聴いてる。
ビヨンセの作品って、ともすれば重いので、なかなか気軽に聴けないのだけど、このアルバムはどこを切ってもフックと快楽ばっかりですごすぎる。
なんでこうなるの。アホでしょこんなの作るなんて。
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