苦しみの種が芽を出さないように慎重に生きなければいけない 20220616
2022/07/22
AURAを読み進める。文章が上手いので読みやすい。
「文章が読みやすい」のは、小説に対しては肯定的評価になるのか判断できない。
読みやすいものは軽いもの。軽いものを一概に良しとすることはできない。
良い軽さと悪しき軽さを判断できる知識や能力が自分にはない。
かと言って、軽くない文章を咀嚼できる能力が今の自分にないこともたしかではある。
AURAを読むのは三度目だ。
一度目は、昔病院に入院している時に読んだ。
小説を読んであんなに衝撃を受けたことは、後にも先にもない。
読んだ時の自分の環境や心境も、この作品に衝撃を受けうる状態だったこともたしかだけれど、やはり、この作品が描いたものは、今の自分の目にも新鮮に映る。
田中ロミオさんのことが好きだ。今でも。
昔創作をしていた頃に知り合った仲間はみな、田中ロミオさんに打ちのめされた経験を持っていた。
孤独と人との交わりとを、様々なジャンルやモチーフを通して描く人だ。
知識の量が尋常でないことは、手がけてきた作品の幅広さから伺うことができる。
文章も様々な文体を書き分けることができる技巧派。
この小説は好き過ぎて、一時期中古で安く売っているのを見かける度に買い、知り合いに押しつけるという迷惑布教行為をしていた。
とにかく好きだった。
田中ロミオさん、宮崎駿さん、村上春樹さんなど、知識の量が膨大で、自身の腕を磨くことにも余念がなく、常に新しい領域を開拓しようとしている作家が好きだ。
常に優しくあろうとする姿勢も好きだ。
こういう、評価を得てもなお、自分の仕事の質を上げることに血道を上げている作家がいることを思うと、中途半端な作家に対しての嫌悪感を抱いてしまう自分にも気付く。
白髪が生える。
見つけたら毛抜きで抜いているが、それでは鏡に向き合って見える範囲の処理しかできない。
そんな自分の頭を後ろから見た人が「後頭部は白髪が多い。さては自分の見える範囲だけ白髪を抜いているな」と思うかも知れない、と思うと恥ずかしい。
なのでしばらく白髪を抜かずに生やしたままにしてみようと思う。
それでどの程度白髪が生えているのか様子をうかがう。
いつかどこかの時点で、白髪の処理が追いつかなくなることは間違いないので、白髪がない状態を諦めなければならない。
髪の毛をこれまで染めたことがないので、「白髪を隠すために色を染める」ということには抵抗がある。
難儀だ。
「付き合うかも」と思っていた女性が、他の男と仲良くしたり、付き合うことになったとして、自分がその状態を目の当たりにするのはつらい。
これは僕だけがそう思うのではなくて、男女問わず大方がそうではなかろうか。
自分はここ一年で数件、「付き合うかも」と思うような関係が発生していた。もちろん僕がそう思っているだけで、相手からしたらそんなことはないかもしれない。
そんな関係性だった相手とも、「付き合うかも」と思うような状態を脱した後でも、関係自体は続くことがある。接触する可能性がなくはない状態ではある。
そうなると、「仲のいい男の話とか聴くの嫌すぎ吐きそう」「彼氏できたとか彼氏じゃない男と粘膜接触した話とか聴いたら一生インポになる」とか思うじゃないですか。
僕の心は強くはない。
結局自分は相手にとって何者でもなかったのだ、と思い知らされるのがつらいのだろう。
今自分の心は、苦しみに繋がりうる種がたくさんあって、それが芽を出さないように慎重に生きなければいけないと思う。
本当に心が苦しいんだ。
今日聴いた曲。
ベースもドラムも比較的プレーンな演奏。
とはいえスネアの音が珍妙。
サビのコーラスが透き通るようで美しい。
歌詞は意味不明。
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