『ブルー』220812
ジョニ・ミッチェルの『ブルー』を図書館で借りた。ついに出会ってしまった。名盤すぎ。
そもそもポップミュージックの歴史に残る名盤として名高い存在であり、存在は認知していた。
しかし、「女性シンガーソングライター」という文化に若干のアレルギーを持っていたため、食指が動かなかった。(食指が動かないという言葉を「触手が動かない」と書いている文を見ることがある。バケモンけ?)
ジャニスジョプリンとか、ジョニミッチェルとか……50年代から70年代にかけて活躍した女性ソロ名義のアーティスト全般に、そういう、手を出すことに抵抗を覚えている。なんでなんだろう。
もちろんただの偏見なのだけど、自分が触れたことのないジャンルが大海のように広がっていると、こぎ出していきにくいってことはあるじゃないですか。
また、ジョニ・ミッチェルの『ブルー』については、タイトル通りに真っ青なジャケットを見て、「辛気くさいんやろな……」と勝手に思い込んでいた。
そんなわけで手を出しづらかったのですけど、ジョニめっちゃええやんの気運が生まれているので、その流れに乗じて手を出したのだけど、めちゃくちゃ全曲名曲だった。
あと普通に明るい曲も多い。楽しいです。
音がずっと良いんだよなぁ。
wiki情報でしかないのだけど、ジョニはギターのチューニングにちょっと変わったこだわりを持っているのだそう。
ちょっと音に違和感があるのだけど、それが面白い。
最初に「めっちゃ静かだけどなんか心かき乱される、何だこの曲!」となったのが下記の曲なのだけど、先日の音楽フェスへのサプライズ出演時にも披露されたよう。おそらくはジョニ自身でも思い入れがあるのではないだろうか。
しかし僕がジョニ初接触となったベスト盤には収録されていない。
やっぱりベスト盤って、あんまり頼りにならないですよね……。
なんとなく、「フォークのシンガーソングライター」然とした曲が集められたベスト盤だったのかなと思った。
歌詞もまだしっかり読んでいない状態なのですけど、拾い読む限りでも、ストーリーテリングが上手なことがわかる。
あと本当にアレンジが研ぎ澄まされてて、鳴らされてる音は常に厳しく選び抜かれて少なくなっている。
あとジョニのメロディと歌声が、美しいけど、どこか捉えどころのないもので、「ブルーにさせようか」といったステロタイプ的な狙いがない感じが、何度聴いても新鮮で楽しいです。
これはアルバムの最後から二曲目なのだけど、なんというか、切なすぎるでもないのに、胸がぞわぞわしてくる、不思議な弾き語り曲。ギターの音がめっちゃ変なんですよ。
で、最後の曲が『リチャードに最後に会った時』という曲で、厳かなピアノバラッドになっている。
最後の曲がピアノバラッド、その前の曲がほぼ弾き語りの曲。
なんとなく、アデルの『21』は、この構成を真似たのかもなと思った。
いずれにしても、この『ブルー』、文句の言いようがない名盤。これから一生付き合っていくことになると思う。
このほかにも、まだまだジョニのディスコグラフィーには名作と呼ばれるものがたくさんある。掘っていく楽しみにうきうきしてる。
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