バーの入店待ち中に女性に声を掛ける 20220625
誕生日だった。
たまたまこの日、知り合いと食事をする約束をした。
結局別れるまで、今日が誕生日であることは告げなかった。
なんか気を遣わせそうだったので。
3年ぶりくらいに、渋谷にある『八月の鯨』に行った。
映画作品に着想を得たカクテル類をオリジナルレシピで用意しているお店で、一応メニューはあるけれど、メニューに載っていなくても、バーテンさんが観たことのある作品であれば作ってくれるという面白すぎるお店である。
結構古今東西の映画が網羅されているので、「あの映画は作ってもらえるか」とかを考えるのもまた楽しい。
お店は2フロアあり、各フロアでおそらく合計25名ほど入れそうな広さ。
けれど有名なので、週末のよるとなるとだいたい入店待ちの列ができる。
この日は土曜日だったので、やはり僕たちが到着した時点で、4人がお店の階段で入店待ちをしていた。
このお店で飲むことを目当てにしていたので、僕たちは列の後ろに並んで映画の話をしていた。
途中で、何組かの客が僕らの後ろについて、しかし、列が進まずにいるとわかると、去って行った。
待っていて、客が店から出て僕たちの脇を抜けていくと、列が進んでいく。
四人ほど一気に客が出た後、僕らの後ろに女性二人組がやってきた。
その女性客達は、「並んでるね」「そだねー、他のとこ行こっか」と、他のお店に行くことを即断したようだった。
なんかもったいないなと思って、「今お客さんがけっこう出たので、多分すぐに入れますよ」と声を掛けた。
それを受けて「ほんとですか?」「じゃあ待ちます」と、二人は留まった。
一人の女性が、めちゃくちゃ胸が大きい様子だった。
それはもう。ちょっとあんまりお目に掛からないレベルでの大きさであった。
女性たちに声を掛けてから十分程度で、僕らは店に入れた。
僕らはこのお店に入ることを目当てにしていたので、あまり長く待ったと感じなかったが、彼女たちがどう感じたのかはわからない。
席について、映画の話に花を咲かせる。
映画が好きな人と来ると、映画の話が永久に続けられる店である。
しかし久々に来てみて、店内でかかる音楽のボリュームがだいぶ大きいなと思った。
声を張らないと相手に届かない。
これは、店が混み合う週末だけの仕様なのか、平日からこの調子なのか、わからない。
でも夜中とかに来たときはもっと普通のバーの静けさだった気がするが……。
店を出る頃には声が枯れていた。
恋愛の話になって、「責任とか覚悟とか、恋愛を始める準備ができていないと、恋愛が始まる確率は低い」という話になった。
自分が最近、人妻の友人から言われた言葉。
「覚悟を決めて一気にアプローチしろ。ちょっとのことで退くな」という旨の話だった気がする。
この時一緒にいたのは男性の友人。
男性との方が、自分を曝け出しやすい。
女性相手だと、多分、「もしかしたらこの人と恋愛関係に発展する可能性があるんじゃないのか」とか考えてしまって、何だかんだで、良いように見せたいという意識が働くのだと思う。
いかなる関係であっても、お互いに、一度たりとも「セックスあるんかどうなんか」が逡巡しないでいることなど不可能だろう。
(まぁそれを厳密に言うなら、同性の間柄でもそうだろうけど)
惨めな人間ですよね。自覚はあります。
なんか、男と長い時間一緒にいると、お互いの普段話さないようなところまで話ができたりして、すごく面白いんですよ。
この日もすごく面白かったです。
あと、複数人と一緒にいると、どうしても最大公約数的な話を回して行きがちですけど、サシとか3人ぐらいだと、こう、ほんとに、変な話とかもできて面白いですよね。
男と二人とか三人ぐらいで飲むのって面白いですよね。
店を出てから、「お店に入る前に後ろに並んでた子たちに、話しかけなかったですね」と言われた。
「僕、映画の話とかで話しかけちゃおうかとか思ってましたけど」と。
正直に言うと、僕も声を掛けようかとは思った。
けど、「女同士で静かに飲みたいのにセックスしたいの丸出しな男が声かけてきてウザッ」と思われそうで、結局話しかけることは実行しなかった。
冷静に考えてみると、僕と知人が「一緒にいたくなさ過ぎる奴」だと思われたとしたら、多分、彼女達は留まるとことをしなかったんじゃないだろうか。
とすると、最初の声かけの時点で、足切りラインはクリアできていたのではなかろうか。
そんで、そもそも場所が映画が好きな人が集まる場所なので、第一声で失敗することはないだろう。
上手く仲良くなれば、4人で一緒に飲むなんてことも実現したかもしれない。
さらに酒の勢いもありーので(「ありーの」って言い方、最近聞かないですね)、そのまま道玄坂のラブホ街に直行なんてこともあったかもしれない。
そうなったら、僕が仰向けに寝ているところに、おっぱいの大きな女の人のおっぱいを顔に乗せられて、「うっぷ、く、苦しい! 堪忍してください! もうそのぽよんぽよんおっぱいを顔面に乗せて口と鼻を塞ぐのは止めてください! お助け~!」
と悲鳴を上げながらしかしチンポコがギンギンに肥大化しているような状況になっていたかも知れない。
また、仰向けに寝ている僕の勃起したチンポコに、おっぱいの大きな女の人がおっぱいを乗せてきて、僕のチンポコがそのおっぱいの重みに耐えられるが合戦みたいなこともあったかもしれない。
「重たっ! なんですかこれ……しかし負けへんで! ふん!ふん!」
なんか多分、話しかける時は「軽く」いくのがいいんだと思うんですけど、僕はそこで「最終的にはセックスしたくなるに決まっているので、セックスさせてもらえるかどうか、この一言にかかっている……!」と重たく考えてしまって、結局行動に移せないんだろうな、と自分では思いました。
「セックスできる可能性を左右する重大な行動」と考えすぎなんでしょうね。
「セックスしたい」という邪念を除けば、普通に、女性とももっと仲良くなれるんだよな、と、思うようになりました。
この時だって、「セックスしたい」という最終目標設定さえしなければ、「映画のバーで並んでるときに知り合った人とちょっとお話しできて楽しかった」っていう、良い時間を作れたかもしれない。
よく考えたら、何度もこのお店には通ったけど、こんな面白い機会ってなかったなと思う。
「とりあえず話してみたら楽しそうだから話してみる」ぐらいの精神でいきたいなと思った。
三十五歳になったのに、ワンチャン期待してる自分も結構嫌だしな……。
とはいえ、おっぱいの大きな人のおっぱいを、顔やチンポコには乗せてほしかったです。
一度はこの夢を叶えなければいけないと思う……。
射精に至らなくてもいいので、とりあえずこれだけは……。
逆にの夢を叶えてしまえば、自分の中の邪念は全て霧散するのではないか、とも思えてきた。今後風俗行ってやってもらいます。
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