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ヒプノシスマイクについて(6)アンチがヒプマイの良いところを挙げてみる

      2020/06/14

ファッキューメーン!
どもっ!
ヒプマイアンチブログです!

前のエントリでは、予想外にジブラをディスってしまうま(高度なだじゃれ)して申し訳ございませんでした……。

前→ヒプノシスマイクについて(5)快挙! 生ける伝説ZEEBRA(ジブラ)が参戦!

そんなわけでここでは、新キャラ参戦後のヒプマイのいいところを書いていきます!
そして次のエントリでは新たなに見えてきた嫌なところのディスと、発見したことを書きます!

では、まずは良いところから書いていきます!

・いろんなタイプの曲が出てきた

新しく発表される曲がいろんなジャンルで面白いです!
以前も書きましたが、世界中で絶滅危惧種である「ラップメタル」の曲が多かったので、ラップメタル曲が姿を消したのは嬉しいところ。
まぁ、また「バトル曲」になったらギター音がギュンギュンに使われたものが増えるかもしれませんが……。
一口に「ヒップホップ」と言ってもサブジャンルとして細かくいろんな音楽性があるので、何百曲作ってもネタは尽きないはず。
どうやらヒプマイでは、キャラごとに楽曲のジャンルが割り振られているようなところもあるので、キャラが増えるほど楽曲のバリエーションも増えていくのかもしれないです。
まぁ、もっと先鋭的な表現をしたりオリジナルなことをやってもいいと思いますけどね……。

・曲のクオリティ上がった

多分いろんなアーティストが楽曲制作に入ってきたからだと思うのですが、クオリティが上がりましたよね。
何の面白みもない曲は徐々に消えつつある気がします。
やっぱりアメコミと一緒で、最初の曲はキャラ紹介をせざるを得ないのだろうと思います。
アメコミ映画って、1ではキャラクターや世界観の設定を紹介しないといけないので、物語の展開の足取りが遅いんですよね。
「普通の主人公がパワーを得る」お話が多いので、序盤はそんなに面白くなかったり、スーパーパワーを得た主人公の能力を習得する過程、習得してから修行する場面が入ったりするのですが、いくつかのスーパーヒーロー映画を鑑賞したことがあると「またのパターンを観なきゃいけないんかい…」となりがち。
しかし2まで来ると、1ですでに設定のお披露目はできているので、そのシリーズの本領が発揮されてくることが多いのです。
そんなわけでスーパーヒーロー映画は2から真価が現れるといわれているのです。
ヒプマイも同じで、1曲目はキャラ紹介をして、2つ目の曲以降は、そのキャラ設定を踏まえて、もうちょっと楽曲の面白さを追求していけるのかなと思いました。
具体的に、よかった曲を挙げてみます!

どついたれ本舗の三人が歌う、クリーピーナッツ(Creepy Nuts)が手がけた『あゝオオサカdreamin’night』は面白いです。
クリーピーナッツってメロディもめちゃくちゃ良いんですよね。
「口の悪そなお尻にお仕置き中」と、同時に出てきた新キャラ(Bad Ass Temple)へのけん制も入れてくるところも、さりげないし、言葉遣いもギャングっぽくてひょうひょうとしていて、キャラに合ったリリックになっていて本当に素晴らしい……。
しかも「振り出しに戻るその手のダイス」で渋谷のギャンブラーを、「袋のネズミちゃん」で池袋の兄弟にビーフをかましているところもすごい……。
わずか3分チョイにこれだけ情報量を詰め込んでこられてはたまりませんよ……これはヒプマイシリーズの曲のハードルを大幅に上げてしまったのでは。

波羅夷空却が歌う、Diggy-MO’制作の『そうぎゃらんBAM』も面白いです。
ぶっちゃけ音とかすごくダサい感じなんですけど、その挑戦的な姿勢も含めて評価したいところ…(笑)。
やっぱりディギーモーのフロウ、面白すぎっす。

観音坂独歩が歌ってDOTAMAが手がけた 『BLACK OR WHITE』も面白いですね。
サビとアウトロの声を加工した音とかメロディは好きになれなかったけど……。
サイコパスなキャラ設定を、曲調の転換で表してるのかとも思ったのですけど、好きじゃないっすね。(近年の日本のコンテンツで「サイコパス」って言葉をよく見かけるようになったけど、面白くない使われ方していていやです……)。
『チグリジア』も好きだったし、やはり私は独歩くん推しなのでしょう。
DOPPOきゅん……。
マイクリレーする曲でも、彼のラップは最高ですね。
リリックもかっこいい。

逆に、当初はイケブクロデヴィジョン推しだと思っていたのですが、『IKEBUKURO WEST GAME PARK』以降の曲はピンとこず…。
『おはようイケブクロ』がなんかすげーイタい出来だったために一度しか聴いていません……こうなってくると、大阪推しに鞍替えするしかなくなってしまいます。
ごめん……一郎……許して……。
西寺郷太さん作曲の『Break the wall』とか、よくできてる感じはわかるけど、好きになることはありませんでした。
西寺さんが作る音楽全般が、いいのはわかるけど別に好きにはならないんですよね私…。

初期にいろんな曲を手がけていた月蝕會議ですが、最近はあんまりクレジットされないですね。
本職のヒップホップ畑の人たちが参加するようになったから、あんまりお声がかからなくなってるのかな…切ない。
『IKEBUKURO WEST GAME PARK』が曲の頭から最後まで全部好きなので、あのクオリティが出せるなら今後ももっと曲を提供して欲しいけどなぁ。

あとヒップホップというと、既存の曲のサンプリングとかやってもいいのになぁとは思うのですが……サンプリングしないで、パクってオリジナル音源っぽくしようとしてるからムカつくんだよなぁ。
まぁ、ヒプマイは「ラップバトル」であって「ヒップホップ」は標榜していないっぽいので、そこを求めてもしょうがないのかもしれないですけど……。
サンプリングだと著作権がいろいろ絡んで面倒くさいのかな。原曲の作曲者にもお金払わないといけないし。

褒めは以上です!(ディスもやっちゃったけど)
しかし褒めエントリなので、もうちょっと褒めます!

・ヒプマイヘイターが選ぶ好きな曲BEST5

5
4 『Shinjuku Style~笑わすな~』
3 『チグリジア』
2 『あゝオオサカdreamin’night』
1 『IKEBUKURO WEST GAME PARK』

ごめんなさい!
5曲ありませんでした!
バトル系の曲とか、ディヴィジョンかかわらずマイクリレーする曲とかも聴く頻度はけっこう高かったのですが、ベストに選ぼうとしたときに「いやベストに入れたくなるほどではないなぁ……」となぜか心理的な障壁が発生しましたのや……。
じゃあベスト3にしたらええやんとも思うのですが、ベスト5を選ぼうと思ってヒプマイの曲リストを眺めた時間を無駄だったと思いたくないのです……。
5曲も挙げられないなんて、私のHaterっぷりが仇になったのでしょうか……。

さて、ここまでイケブクロディヴィジョンを褒めちぎってきたことからもわかると思いますが、私はイケブクロディヴィジョン推しです。
イケブクロの曲を何度か聴いて気付いたことがあるので、きっとヒプマイファンの方にとっても有益ではないかと思うので、こちらのエントリに書き残す所存です。
(ファンの人達には周知の事実かも知れませんが……)

・一郎のリリックに頻出する「次元」を超えようとする意志

一郎の曲を聴いていると、良い意味で繰り返し登場してくるモチーフが有ることに気付いたんです。
何度も使われる単語やモチーフがあるのは、それが意識的にしろ無意識にしろ、それを強調したいという意志があるということでしょう。
声優を勤める木村さんが好良瓶太郎の名義で一貫してリリックを書いていることから、そんな風に曲をまたいでもモチーフが立ち上がってきて、一郎というキャラクターの個性がはっきりと表われているのだと思います。
僕が一郎や独歩きゅんのことが好きなのは、書き割り的なキャラクター設定ではなくて、そのキャラクターの核心が現れているように感じるからなのかもしれません。

で、一郎の曲で多いなと思ったモチーフが「なにかを超える」ことと、リスナーのリアクションを具体的に求める言葉です。
前者については「限界に挑もうとするカッコ良さ」というキャラクター性の提示でもあると思うのですが、二次元キャラクターがラップするというヒプマイだけれど本気でやってるから本気で付いてこいと言っているように思ったんです。

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』
「二次元でも三次元でも俺は俺だから」

『俺が一郎』
「いくぜ 新たな天井 超えたその先へ」

『Break the wall』
「ボーダー なんか吹っ飛ばせ」「壁を壊せ」

具体的に挙げるとこのあたりですね。
一郎は曲の中でも、リスナーに語りかけることが多いので、楽曲を通してコミュニケーションを図ろうとしていると思うんですよ。
『T.D.D LEGEND』でも、一郎は「おめーらの番だ」って言っていたのが印象的。
『IKEBUKURO WEST GAME PARK』なんて、リスナーの合いの手が入ることで完成されるつくりになっていますよね。
あれはライブでの盛り上がりを見越して作ったという側面もあるだろうけど、ほんとにうまいと思います……ただ作ろうと思って、あのクオリティの曲を作ることはできないと思います。
あの曲、生で観てみたい……。
あの曲の言葉がガッチガチに詰まってるのに、聴いててすごく楽しい感じって、なかなかないですよ。
僕が早口の曲が好きだという好みの問題もあるでしょうが……。
アレンジも絶妙です……他の曲が音入れすぎだったり全然面白くなかったりするのに対して、あの曲のホーンの音とドラムの音はほんとに最高。
それにあの曲、マイクを持つ人物がめまぐるしく変わっていくし、熱量が高くて楽しそうなので、「息の合った兄弟」っていう設定がすっと飲み込めるんですよね。
で、一郎がボイパを披露することで、音楽スキルの面でも下の兄弟から憧れられている要因も提示できてる。
ほんとに、何度も言うようですけど、「キャラの口から設定が語られる」とうっすいうっすいキャラソンにしか感じられませんが、こういう風に曲を通じて自然と表現されると受け取れる情報の量は何十倍にもなるんですよ。

話が逸れましたな!
あと、僕は二回しか聴きませんでいたが、(この文章を書くために二度目の鑑賞にのぞみました)『おはようイケブクロ』も、リスナーからのリアクションが大いに反映されるラジオというメディアを曲にしたものでしたしね。
『Break the wall』なんて、「壁を壊せ」がタイトルですしね。

ちなみに、ポルノ・グラフィティの『ミュージック・アワー』をはじめとして「ラジオDJの喋り風の曲」というのはポップ・カルチャーにはよくあります。

原点はザ・フー(The Who)の3rdアルバム『ザ・フー・セル・アウト(The Who Sell Out)』だと言われていますね。
アルバムまるごとがラジオ番組のような構成になっていて、架空の商品のCMまで自作して挿入するというこだわりよう。
ラジオ番組というコンセプトだけあって収録されている曲もバラエティに富んでいます。
フーのクラシック、『恋のマジック・アイ(I Can See for Miles)』は、コーラス部分のギターが1コードだけで構成されているという意欲作であり、フーの代表曲です。

話がそれてすみません……。
そんな風に僕の印象としては、一郎=木村さんは、二次元と三次元の壁を取り払おうとしているし、リスナーとクリエイター(もしくはキャラクター)との双方向の関係性を強く意識した曲を作っていると思います。
その理由を考察してみると、ヒップホップがリスナーに発破をかけて(この言葉も一郎のリリックにありましたね)、共闘を持ちかける音楽であるという側面を取り入れているのではないかと思います。
これまでのエントリでも書いてきたことですが、ヒップホップは(もちろん他の音楽でも見られるものですが)経済的な貧困に喘ぐ者や差別に苦しむ者、社会から不当な扱いを受けてきた黒人達が生み出しました。
そんな出自があってなのか、ヒップホップには政治的なモチーフを用いた楽曲がたくさんあります。
パブリック・エネミーやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのように「音楽を通してリスナーを啓蒙したい」と明言するアーティストも大勢います。。
PEなどは自分達がマスコミの役割を担っていることを公言していましたし。
ヒップホップではあらかじめ社会から多くを一方的に奪われてきた黒人達を啓蒙するために知識を共有したり、音楽を通して活力を与えることで向上していこうという願いがこめられている。
自分達の曲を聴いた人だけを変えるのではなく、社会全体に変革をもたらすために、リスナーを巻き込んでいき、「一緒に闘う同士」にしようとするんですね。
また、パーティの現場から生まれてきたこともあってか、「セイ・ホー」なんて揶揄されたりもしますが、客が合いの手を入れるタイミングが多めに組み込まれたりもしていますね。
そんな風に、リスナーを奮起させて「共闘」を持ちかけたり、リスナーがリアクションを入れやすいヒップホップの特性が、一郎の曲には強く出ている気がするんですね。
木村昴さんって、ヒップホップを愛聴してきた人だということはなんとなく知っていたんですけど、彼はヒップホップのいいところ(そして薄めてはいけないところ)を押さえていて、それをヒプマイに本気で注ぎ込んでいるのだと思いました。
そしてその覚悟が一郎というキャラクターの「いい兄貴分」な感じにも繋がっているんだろうなぁと……。

この「超える」というのが木村さんの願いからくるものなのか、ヒプマイ自体の伏線のようなものなのかはわかりませんが、面白い特徴だと思います。
ファンからのリアクションを受けて作品が展開していくというもともとの構造もあるでしょうけど、海外でも数年がかりでストーリーを描くドラマシリーズが増えているじゃないですか。
で、誰もがSNSをやるようになったこともあるし、「作品とファンの関係」の変容が近年急激に進みました。
クリエイターが完成させたものを世の中に出すという一方的なものではなく、ファンからのリアクションとどう向き合うかが問われる時代でもあったという話ですね。
木村さんがそこを意識したうえで、ファンとの双方向性を曲の中にも取り入れているのだとしたら、すごく鋭い方だと思います。

僕がもっと頭が良くて知識があったら「ヒプノシスマイクとファンダムの関係」という切り口で書いたりしてみたいですが、多分ちゃんとした内容に仕上げられないので諦めます……。
田中宗一郎さんと宇野維正さんの共著で、作品とファンダムの関係については詳しく書かれておりましたので、興味のある方は読んでみてください!
ここではドラマシリーズだけではなく、スター・ウォーズの新三部作や、アベンジャーズといったMCUにも触れられていました。

さて、褒めについては以上になります!
この先ディスりまくるエントリが控えていますが、その前に、ヒプマイより20年早かったヴァーチャル・ヒップ・ホップ・バンド「ゴリラズ(Gorillaz)」についてのエントリを用意しました。
ヒプマイアンチブログ、また読みに来て下さい!

次→ヒプノシスマイクについて(7) ヒプマイより20年早かったゴリラズ(Gorillaz)

 - ヒプノシスマイク, 音楽

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