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RUFUS WAINWRIGHT/Imaginary Love

      2020/03/17

三月にルーファス・ウェインライトが来日するんですよ。
今回は彼の1stと2ndのアルバム曲をやるようです。
十年くらい前から、名盤再現ライブみたいなの、ちょいちょいありますね。
実は僕が好きなルーファスの作品は、3rdの『ウォント・ワン』と、の4th『ウォント・トゥー』という姉妹作なのです。
もともとオペラやクラシックの愛好家だった彼が、豪華で壮大なオーケストラアレンジで挑んだ作品。
最初に手に取ったのがウォント・ワンだったもので、特に愛着があります。

とはいえ、好きなミュージシャンの久々の来日公演なので、チケットを取りました。
ここ何年か、なんとはなしに、ライブへ足を運ぶ機会が減っていました。
昔は月に一度は何かしらのライブを観に行っていたのですが、そのうち、「音源そのままのライブってあんまり観ても面白くないなぁ」と思ったりして。
しかしこの数年、アーティストの来日公演が激減しているではないですか。
理由は日本における洋楽市場が縮小していったからなのは明白ですが、ワールドツアーにおいても、日本公演は開催されないなんてこともしばしばです。
来日するとしても、単独公演では集客が望めないから、フェスのセットに組み込まれたりして……。
そんなことはぼんやりと知ってはいたのですが、自分の好きなミュージシャンのライブを日本で観れること自体が貴重な機会なのだと気付かされました。
そんなわけで去年からはちょいちょいライブを観に行くことに決めたのです。

去年の秋にミューもアルバムの再現ライブをやったので、観に行ったんです。
そしたら、音のあまりの良さに驚かされましたね……あの変拍子連発の楽曲を綺麗に演奏してみせる技術力の高さにも感動しました。
やっぱり海外のミュージシャンって確かな演奏力がありましよね。

話がそれました。
(僕の話はそれまくるんですよね)
そんなわけで、ルーファスのライブまでに、再現されるアルバムを聴き込んでおこうと思ったんですよね。
入手した当初はけっこう聴いていたのですが、聴き返すことが多いのは自分が好きなアルバムだったもので……。
まだ60~70年代の、趣味の良いシンガーソングライターっぽいなって印象でした。

で、ある時にふと思い返してみると、かなり熱のこもった歌声が脳内でリフレインするようになりました。
調べてみると、『Imaginary Love』という曲でした。
僕が持っているのは日本盤なので、最後に『A Bit Of You』というボーナストラックが入っているのですが、オリジナル盤では最後の曲はこっちだそう。

ポーティス・ヘッドっぽい、深くてエコーの強いドラムとストリングストリングスアレンジが特徴的ですね。
ここに至るまでが、ぬくもりのあるオーガニックな音色で統一されていたので、異色の曲とも言えます。
アルバム後半が、かなり静かで暗い曲が続いていたので、この曲で底を打つような構成になっています。

歌詞を読んでみると、一つのブロックの歌詞が四回繰り返して歌われています。
以下、日本盤のライナー記載の対訳です。

「どんな愛でも 少なくとも僕のような愛は
はじめは想像上の愛だったに違いない
それで雨の説明がつくよ 待って歩くゲーム
初めからシューベルトにあたまをだめにされた

どんな愛でも 少なくとも僕のような愛は
はじめは想像上の愛だったに違いない
それで雨の説明がつくよ 待って歩くゲーム
初めからシューベルトにあたまをだめにされた

タクシーの中の君を見たかった
僕の膝の上に頭を載せて
なんて素敵なんだ 君の赤い顔に緑のシートがいいね
優雅なホテルで君を見たかった
酔った勢いで予約が取れて
最高の部屋だよ シャンパンは幸せな顔にしてくれる

どんな愛でも 少なくとも僕のような愛は
はじめは想像上の愛だったに違いない
それで雨の説明がつくよ 待って歩くゲーム
初めからシューベルトにあたまをだめにされた

どんな愛でも 少なくとも僕のような愛は
はじめは想像上の愛だったに違いない
それで雨の説明がつくよ 待って歩くゲーム
初めからシューベルトにあたまをだめにされた」

これはコピペをミスったのではなくて、同じ歌詞が本当に四回出てきているのです。
これはかなり特殊な構成です。
最初はゆったりと歌われていたものが、後半に来るにつれて、どんどんエモーショナルになっていくんですよ。
後半ではセンテンスの先頭に「’Cause every kind of love~」と、Causeがついています。
「だって」とか「なぜなら」という意味でついているのでしょうか……であれば、言葉としても、後半に至ると意味を強調するテクニックが使われていることになりますね。
「だって、どんな愛でも~」という具合。かな?

ルーファスがゲイなのは今では誰もが知っていることではありますが、デビュー当時の彼ってどうだったんでしょうね……。
歌詞を読んでみると、彼の曲って報われない恋愛の歌が多いです。
それどころか、相手に触れることもできない曲が多い。
(ライナーノーツを読んでみると、1stの時点でこのことに触れられていますね。
ここで歌われるイマジナリー・ラブというのも、そのような状態だと思います。
「想像から始まったんだ……」ですって。
イマジナリーって多分、「想像上の」といった意味ですよね。
イマジナリー・フレンドという言葉もあるし、イマジナリー・ラブというのは、自我を保つために必要なものなのかもしれないですね。
つまり、ここでは「君」と想いが通じ合う仲ではなかったけれど、いつか現実にしたいこととして、二人の距離が縮まっていく過程を妄想しているということですね。
この歌の四度繰り返される部分は強い自己嫌悪と、それでもいつか報われるために願いを捨てないでいようという想いが歌われます。
一度だけ歌われる部分は、ロマンティックなラブソングのようです。
けれど、その部分を挟みこむのは、上記したような切ないけれど切実な想い。
なんか、歌詞を読みながら聴いてみると、ちょっと泣けちゃいますね。
ライブではどんな風に演奏されるのかなぁ。
音楽的好奇心だけで言うと、楽しみです。

こんなことを歌ったルーファスも、今では男性と結婚して、代理母が出産した娘を持っています。
幸せになれてよかったね、ルーファス……。

最近、今流行っている音楽を聴いても、そんなにのめり込めないことが多かったりします……。
自分が若い頃は、年長者が「昔の音楽は良かった!」とか言っているとめちゃくちゃムカついたものですが、自分自身が30を超えてそんな感じになりかけているという。

くるりの岸田さんが「今の音楽全然わからない。昔の音楽ばっかり聴いてる」とタナソーさんに言うと、「俺もそんな時期があったけど、またリアルタイムの音楽聴くようになったよ。だからそのうち岸田君もそうなると思う」と答えていたんですよ。
それは岸田さんが二十代半ば~後半ぐらいのことだと思うので、三十を超えた僕に当てはまるかはわからないですが……(笑)。

けど、昔から好きだったミュージシャンの作品を、じっくり聴き返してみるのも面白いと思うようになりました。
新しい発見があったりもしますしね。
今回みたいに、当時はピンとこなかった曲の魅力に気付いたり。

・ルーファスのライブが楽しみ
・来日公演が減っている
・聴き返してみて良さに気付く曲もある
・イマジナリーラブ、いい

ということが言いたくって、そのすべてを一つのエントリで書いてしまったものが、これですね。
一つ一つテーマで分けて書けば、読む人にとってわかりやすいような気もしますね。

 - ラブソング, 音楽

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