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映画音楽本ごはんの話を、面白く書けるようにがんばります

*

ゆうちゃん、メリージェーン、思い出は君にあげる歌

      2020/03/08

小山田壮平さんが、弾き語りのライブで続々と新曲を披露している。
http://songforone.me/post/421
こちらで友人としゃべった内容を記事にしているのだけど、基本的には↑でカットしたことを書きます。
↑のエントリではほとんど触れなかった曲があるのですが、正直な話、その曲が一番衝撃的だったし、自分が待ち望んでいた展開がきた! と胸が躍ったんです。
しかしまず、『それでも夜は星をつれて』の話を先に少し書きます。

夕暮れの道を並んで歩く 酔いにまかせて次の店まで
口をすべらせ 君の目が曇る そんなつもりじゃなかったんだけれど
愛してるなんて いい訳みたいだね
君がいないと まるで駄目なのに
そばにいて欲しいなんて かっこわるいね。
飲み過ぎただけさ きにとめないで。

それでも夜は星を連れて
何でもない顔して 旅に誘うよ
トランクの中には 四ツ葉のクローバー
この風が吹くならば
君と歩いて行ける
この風が吹くならば
いつの日も何度でも
君と歩いて行ける
この風が吹くならば

ソングライティングの技術が、ここにきてまだ向上してるじゃないですか。
Aメロ部分なんて、「うわ、自分もそういう経験あるわ……」って思わされるし、しかもそれがバンドの顛末とも被っているだろうって感じがするし。
俺が聴きたかったのはこんなんじゃない!!! もっと闇小山田を出してくれ!!!! って思いましたよ。
けど、こんなソングライター他にいないやろ、マジで……宮崎駿が70過ぎてから発見したテクニック(後述)を29歳の青年がやってしもうてるやん……っていう、絶望すら感じるレベルの感動でもあるし……っていう感じなんですよ。
で、小山田さんは、自分がリスナーに感じる負の部分のようなものを、もう振り切ってしまったのだろうなと思ったんです。
“空は藍色”でいうところの「いつか大人になった時に 捨ててしまうものを今捨てよう」を達成したのだなと。
ピーターパンのようにいつまでも無垢だったソウヘイヘイが、空を飛ぼうとしたら地面にたたきつけられてしまったことで、きっと自分がネバーランドの住人じゃないことを知ってしまったのだと。
もう彼は大人になってしまったんだ……と思っていたら、最近の弾き語りで披露している曲たちですよ。
ゆうちゃんは良いでしょう。
しかしメアリージェーンですよ。
そしてさらに、爆音でミサイルを飛ばしたって歌ですよ。

さよなら もうここには戻らない
別れの手紙も君には届かない

ランチもコーヒーも 腐ってしまったんだよ

哀しいけれど 僕のせいじゃない 思い出は君にあげる 好きにすればいい

これが歌詞です。
間違っているところもあるだろうし、これから披露されるごとに変わっていくかもしれませんけど、多分、僕が聴いた時に歌ったものはこんな感じだと思います。
腐ってしまったとか、僕のせいじゃないっていうのは間違いなく歌っていたし、これだけ強い印象を残す言葉を使ったということは、多分決意をしたうえのことだろうし、その辺は変更されないと思います。
僕へこの辺のこと、アンディモリっていうバンドのことを歌っていると思います。
ここっていうのは、アンディモリのことですよ。
アンディモリに強い思い入れを持つファンたちに、あのバンドの思い出は好きにしていいと、決別をしているのです。
小山田さんの個人的な感情や思想を歌い上げるには、アンディモリというバンドは肥大化しすぎてしまった。
商魂たくましいメディア人やミュージシャンがすり寄ってくるし、過度な感情移入をする(時には作品とは関係ないことすらぶつけてくる)ファンがたくさんくっついてきてしまった。
だからもう、アンディモリを切り捨てるしかなくなってしまったのだと思う。
僕も、ミサイルの歌を聴いただけならまだ、「分かりにくい変な歌作ってるなぁ」で済みますけど、最近更新しているブログの内容がまた、バンド時代の自分を取り巻いていた環境に対する否定の混じった言葉たちなんですよ。

12月2日
「ブラーのフェスティバルの映像みてて思った。
いい音楽は、未来に新しいものをもたらす。それでいてしっかり今を刻む。
たんなるファンタジーに意味はないよな。10年たってみなよ。

今、日本にあるフェスティバルはほとんど空騒ぎだよ、あれは。
ひどいもんだ。」

12月5日
「朝まで歌って喉が枯れた

ここ最近歌が続いてて枯れ気味だったから考えないとな
ステロイドを使えば体調も落ち込む。

バンドでツアーやってたときは週末2連続のライブでかれて一週間で回復したと思ったら、また週末で、枯らす
を繰り返し、2ヶ月近く 音楽が滞ったりしてた
あれは馬鹿だった。憂鬱だし

自分が重要だと思ってることをしゃべりたいし、その人の重要だと思ってることを聞きたい。
なんでも吸いとってこようとする信者はいらない。」

すごいこと書いてますでしょ?
まだ、小山田さんが今後どんなことをしていくか、わかりません。
けれど、今はこんなにとがった想いを抱えている。
たとえば、小山田さんはデビュー当時からロックフェスに苦言を呈している。
ロッキングオンジャパンフェスには2009年に一度出演したきりなのだけれど、山崎洋一郎さんにインタビューされている時に相当面白いことを語っている。
「ちょっと無理やり楽しもうとしてる空気もあるなと思うんですよね。金もかけてるし、休暇もとってきてるんだから、楽しまないとダメでしょっていうのがあったり、あと裏ではやっぱり淡々と仕事をしてる人が居たり。(中略)出演者にとってのフェスって言うのも、もう過渡期なんじゃないかなって。『とりあえずフェス出るでしょ』『盛り上げて動員増やすんじゃね?』みたいな。(中略)例えばロッキング・オンが推したらどうだとか、スぺシャが推して売れるとか、そういう流れに依存してる風景っていうのが、なんとなく気持ち悪いものに見えるんですよね」
そういう文脈で考えると、先に引用したブログの文における「日本のフェスティバル」とは、ロックフェスのことを指しているようには思えないだろうか。
僕が期待していた通りに、小山田さんは心のうちに相当毒を溜め込んでいる。
解散ツアーで披露された曲たちが陽性のものばかりだったので、てっきり浄化されてしまったのかと思っていたが、とんでもない。
以前にもまして鋭くとがった言葉たちが、マシンガンのようにビュンビュン飛び出してきている。

ところで、著書は何も読んでいないのだけど、樋口たけひろという文筆家? が好きではない。
夏ごろに、この人がアンディモリについて喋っている記事がネットに上がっていたのだけど、なんか気持ち悪いなぁ……と思っていた。(そう、僕はサブカル系文化人っぽい人が好きじゃない。水道橋博士、大根仁、ダイノジ大谷さん、そしてこのひぐちカッターさん。嫌いな理由はおいおい書いていくかもしれない)
そしたらアンディモリ解散ライブのレポートを週刊誌か何かで書いたらしくて、「解散後は噂されている新バンドを始動させるのだろうか」とか書いてあった。
なんか、「わしは業界内に伝手があるから、小山田の今後の動向についてもバシバシキャッチしてますねんで~~」感がムンムンして嫌だなぁ、と感じたことが決定的であった。
だからこの人が「わいの予測当たりましたねんで~~~~」とドヤ顔できなくするためにも、どうか新しい活動はソロ名義で行って欲しいと思う。
頼みましたよ、小山田さん!!!

 - andymoriや小山田壮平, 音楽

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