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ヒプノシスマイクについて(5)快挙! 生ける伝説ZEEBRA(ジブラ)が参戦!

      2020/07/19

ファッキューメーン!
一年以上前に、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』というコンテンツについてのエントリを書きました。

前→ヒプノシスマイクについて(4) 実際聴いてみての感想

https://hypnosismic.com/

まぁ主に「キモい」「ダサい」「HIP HOPじゃない」「キャラソンじゃん」といったディスを展開しましたね。。。

あれから月日は流れ、新曲が発表されたり新キャラが追加されたりしました。
ブログではヒプマイのことを批判的に書いた私ではありますが、リリースされる音源は全てチェックさせていただいております……。
やいのやいの言いながらも気になってしまい、曲を再生していました……私は結局のところヒプマイに惹かれているのでしょう。
私は悪い子です……。

批判的に書いたヒプマイディスブログでしたが、けっこう読みに来てくれる方は多かったのも嬉しい驚きでした。
ファンの皆様、民度が高いです。
ファンの方からも「参考になる」的なコメントをいただくことができたのも嬉しかりけり。
ただこき下ろしたいわけではなくて、自分の中では理屈の通った「ディス」をしたつもりなので、そこが伝わったのだと思いたい。
あれからヒプマイに触れる中で、良いところも発見できたけれど、やはりディスらねばならないところも多々ありました……。

そんなわけで、前回のエントリを書いてからヒプマイについて思ったことを書き連ねて行きたいと思います。

まずは、ヒプマイに、ジャパニーズヒップホップのリヴィング・レジェンドであるジブラさんが参加された意義について書きたいと思います!

・ジブラ、別にすごくないよw

あんまり詳しく知らないんですけど、ヒプマイ関係の何かのイベントでヒップホップ界のカリスマであるZeebraがプレゼンター(司会?)を務めたり、『The Champion』という楽曲の作詞を担当したりしましたね。


ジブラがヒプマイに関わるということが発表されたときに、ヒプマイのことをツイートする人のことをフォローしていた記憶はないのですが、Twitterのトレンドに入ったりしてけっこう騒ぎになっていた気がします。
ジブラがどれだけすごい人物であるか、そのジブラがヒプマイに関わるということがどれほど重大な事件なのかを知らしめようとするツイートをたくさん見かけたのですが……ジブラが絡むのって、そんなにすごいことなんですかね?(笑)。

もちろん氏は、現在のラップブーム勃発の起爆剤となった『フリースタイルダンジョン』の発起人であり番組の司会も務めていたので、認知度は高いです。(といってもヒプマイ開始時と比べるとラップブームは既に沈静化している感があるけど)
あと彼が所属していたヒップホップグループ・キングギドラも90年代の日本のストリート的な感性のヒップホップの象徴的な存在です。
そしてドラゴンアッシュ(Dragon Ash)の『Grateful Days』にラップで参加してキメた「俺は東京生まれHIP HOP育ち 悪そうな奴は大体友達」というパンチラインはめちゃ有名ですね。
(後にKJとはモメるけど、KJをディスるリリックが「超キメェ」という文句なのは敢えてダサいのか、マジでジブラの語彙力がそういう感じなのかはいまだに解き明かされていない謎……(笑))

ジブラのことやヒップホップのことをあんまり詳しく知らない僕が言うのもなんなんですけど、ジブラって「ヒップホップの体現者」とか「ジャパニーズヒップホップの礎を築いた偉大な創作家」ではないですよね。
実際にジブラの音源リリースって、2013年のアルバム『25 To Life』が最後のはず。
(2015年にKOHH君とかとやってる『Hate That Booty』ってあるけど、これは何の曲なんだろう)

ヒップホップを日本で広めた功績においてはジブラがナンバーワンの功労者だと思うんです。
けど逆に言うと、キャリアの途中からはテレビに出まくったり、ヒップホップ番組の企画をしたりと、ヒップホップを広めることだけが目的になっていった感があります。
徐々に手段が目的化していったという感じ。
近年の動向を追っていると、ヒップホップのイベントとかにはとりあえず「いっちょ噛み」しているように見えるし……(笑)。

ちゃんと調べずに印象で言っちゃうのもよくないのですが、ヒップホップって何? って部分を突き詰めていったり、音楽面で進化・発展させた人ではない気がします…
フリースタイルダンジョンにまつわるインタビューで、本人も「オーガナイザーとかやるのが自分には合ってるんだろうな」という、暗に音楽としてのヒップホップを作ることがないことをにおわせたりしています。

個人的には、スカイハイ(SKY-HI)にツイッター上でマウント取ってるのを見て、めちゃくちゃむかつきました。
いつしか利権を拡大していくことだけが目的になったのだろうなぁという印象。
そもそもZEEBRAさん、ヒップホップのマインドを汲み取ろうとしたわけではなくて、ただ「ワルそう」「強そう」なのが好きだっただけなんじゃないかなと思ったりします……お金持ちで名家の生まれですからね。
彼の家族がコネクションを持っていたことで、ヒップホップを広めることが出来たという側面は確実に有るはず。
最初は反体制的だった人物が権力を得るにつれて、自分のポジション維持に必死になって若い人間や自分と異なる意見を持つ人間を踏みにじっていく流れ…『動物農場』のようなものですが、まぁ、よくある話ですね(笑)。

持たざる者の反抗から生まれたヒップホップカルチャーを日本で広めようとした人間が、換骨奪胎して、「らしきもの」を広めていったという印象。
「日本ではキリスト教を広めることはできない」という悲痛な苦悩は、『沈黙』でも描かれていましたね。
それと通底する問題があるのかもしれない。


・業界内でDisられるジブラw

ジブさんのこの姿勢については、NORIKIYOが何度もディスっているし、ブルーハーブ(THA BLUE HARB)も何度かビーフを喰らわせてます。

NORIKIYOの件は面白すぎるのでぜひ調べて欲しいんですけど、概ね以下のような流れです。

NORIKIYOが曲の中で「シマウマ」をディスる


Twitterでジブラがそれを知る

ジブラ「本人にも直接言いましたが、来年出すアルバムでアンサーします」とtweet

そのtweetが2013年のことなのですでに6年以上経過するが、アンサーがリリースされる兆しがなし

NORIKIYO、枚挙に暇がないほどの「追いビーフ」をしまくる

俺があの日噛み付いた意味 ソレが解らなきゃさDon’t Fuck With Me
勝負なんねぇ 王冠は地に だって呟くだけで出来ねぇリリック

俺は返答などもう待っちゃいねぇ 名前も忘れちゃったよ
What Your Name?
で、誰だっけ? で、誰だっけ? で、誰だっけ? で、誰だっけ?
はっきり言うぜ 何がレジェンド? はっきり言うぜ 9割クソだ
はっきり言うぜ これでThe End おりゃTrackの上に今、呈す意見を

Liveもしょっぺぇ じゃぁ誰が敬う? 昔の功績すらも疑うよ
レジェンド教えて いにみにまにもー その内いくつの王冠が偽物?

誰かと写メ撮って貰う「いいね」けどステージに立ったら揺らせよWeekend

もうギャグの領域に突入している、ジブさんの「ヒップホップ界の重鎮ごっこ」……。
誰か止めてやれないのですかね。
般若も曲の中で「ZEEBRAにとってのNORIKIYOだよ」とラップしているくらいなので、ヒップホップ界隈ではこのビーフにアンサーしないシマウマさんというのは周知の事実なんですね(笑)。

ブルーハーブはもともと札幌で活動し、全国をツアーで回り続ける今でも札幌を本拠地にするヒップホップグループです。
彼らは90年代に活動を開始しますが、「東京」がヒップホップを安売りする姿勢を断固として受け入れずに批判し続けてきました。
2019年にリリースした最新アルバムで、決定的にディスっています。

『WE WANT IT TO BE REAL』

昔取った杵柄リサイクル クレジット先ならいつものスペシャルサンクス

『介錯』

HIP HOPには全く役立たねぇ 誰も何も得るものなんかねえ 残念
哀れ SNSしか発進する場がねえ だけどペコペコしないとダメな若手
お前等ももう相手にしなくてもいいぞ 甘やかすからおかしな立ち位置を
与えてるんだ もういいっしょ そいつ自身のためだ 本人も待ってるよきっと
現役でやってる奴だけが持つんだろ HIP HOP唯一無二の正義はよ

NORIKIYOとブルーハーブは、このように徹底抗戦とも言えるようなビーフを投げかけていますが、ジブさんからはアンサーは特にありません…音源リリースをしないんだし、そりゃそうですね(笑)。

ヒプマイの話をするエントリなのでジブラのことを書いてもしょうがないんですけど、「伝説のジブラさんがヒプマイに参加してくれた!」みたいな肯定的な意見ばかりを観てしまったので、ちょっと待てよ!と思ったのです。
いや、オタクコンテンツって、「一般のフィールドで活躍する人が絡んでくれた!」ってことをやたら喜ぶじゃないですか…。
ちょっと一言言っておきたかったです。(一言どころじゃない量を書いたけど)

本当は「ヒプマイのいいところわるいところ」で1エントリとして書きたかったんですけど、ジブさんについて言いたいことが膨大になってしまったので、ここだけ分けました!
次のエントリでは、新キャラ参戦後のヒプマイについての雑感を書き連ねていきます!
ファッキューメーン!

次→ヒプノシスマイクについて(6)ヒプマイの良いところをヒプマイアンチが挙げてみる

※追記

キングギドラの『公開処刑』について思うところがあるので、追記します!

・ジブラ、すごいラッパーだったのかもしれない

このエントリを書いてからジブラのこと少し調べたのですが、僕が思っているよりはすごいラッパーだったのかもしれないです……。
インタビューを読んでみると、手前味噌ではありつつも、キングギドラが日本の音楽業界に与えた影響が語られています。

http://www.ele-king.net/interviews/004518/

アルバムリリースよりもだいぶ前にデモテープを作成していて、それがヒップホップの界隈ではだいぶ聴かれたらしいですね。
そのデモテープは1stアルバムの20周年記念盤には収録されたものの、Spotifyでは通常盤しか聴くことができません……。

『空からの力』、僕も十年ぐらい前に中古で安く買って、その時に一度聴いてあんまりピンとこず、それから聴き直していないのです。
本来ならジブラのことを書く前に聴き直した方がよかったですね……これから聴き直してみて、「ジブラの功績」について考え直す必要を感じたら、このエントリに追記したいと思います。(修正してもいいけど、それだと自分の過ちを隠すことにもなりそうなので、あくまで追記という形になるかと)
今現在のジブラに対する印象が変わることはないだろうけど、昔の功績すらも貶めるような書き方をしたのは、こき下ろすことを目的としているようでずるいですね。

・『公開処刑』ダサすぎでは……?

ただ、ジブラがあんまりすごいと思えない理由として、キングギドラ再始動後にリリースしたアルバム『最終兵器』に収録された『公開処刑』がダサすぎるというのがあるんですよ。
↑でも書きましたけど、『グレイトフル・デイズ』で共演したドラゴン・アッシュのフロントマンのKJをディスっているんです。
詳しくは曲を聴いてみるなり、歌詞を読んでみるなりしてほしいのですが……ダサくないですか?

具体的にどんなことがあったのかわかりませんが、「ペコペコしやがって」「こっちはシカトだ」「俺のファンクラブでも作りゃちったぁチャンスやる」とか、ナンクセでしかないですよね……(苦笑)。
ジブラは、KJが自分のフロウとか立ち振る舞いをパクってることに憤慨しているようですが、それが本人に伝わっていなかったなら、KJからしたら「あれ? 曲にも客演してくれたジブラさん、なんか機嫌悪いの……?」って感じにしか見えないのでは。
まぁ、ラップしてないだけで、他にもいろいろあったのかもしれませんが……なんか長々と尺を割いて歌ってる割には情報量も薄いし……。
この曲を聴く限りだと、ただのイキった中坊の武勇伝を聴いてるみたいで、ジブラがすごいリリシストだとは思えないんですよね……。
これがキングギドラをちゃんと聴き直す気力が湧かなかった理由の一つ。

なんとなく、キングギドラって、ヒップホップカルチャーがチャラい形で広まってしまったことへのカウンターをやろうとしている気がします。
その一環で、チャラいラッパーもどきがあんまりやらない、対象を明確にした「ディス」をやってみようとしたのだろうけど、ちょっと出来がよろしくないよなぁ……。

で、『公開処刑』の中で、「他の奴ら? 用はねぇ バンド、取り巻き?用はねぇ クセェ金魚のふん?用はねぇ」とラップしているのですが……NORIKIYOのビーフにアンサーしないジブラ、自分自身に跳ね返ってきちゃってますよね……(笑)。
しかもNORIKIYOは追いBEEFの中で

またToyz達がばらまくのは馬鹿なゴシップ
Rapする気がねぇんじゃ帰れお家
まぁすぐ付くもんだ噂にゃ尾ひれ
金魚のケツに糞 じゃぁさウォシュレット

と、ジブラがKJに向けたビーフを引用すらしています。
お見事。

・ディスのお手本『花水木』

NORIKIYOのジブラディスは、アルバム『花水木』に収録されています。

5曲目の『今夜はParty』で、クラブの中で居丈高で偉そうな「VIP」な業界人にちょっとした苦言を零し、続く6曲目のSkit(語り部分。ボイスドラマとも言えるかもしれませんね)の『ただいま帰りました ~Skit~』では、徐々にディスの対象の情報が増えていき、ついに7曲目の『Go Home』で、件の直接的なジブラディスがスタートします。
その後、さらに立て続けに『皿に毒盛る料理店』ではヒップホップ業界全体に疑問を投げかけます。
で、ここからがさらにすごいのですが、次の『R.I.P』では、ここまでディスってきた対象への「愛情」を表現してみせるんです。
愛しているから、立ち直ってほしいから、変わってほしいからこその「ディス」って、日本ではあんまり見かけない表現ですが、本来そういう役割を持つべきものなんですよね、ディスって。
敵に塩を送るではないけれど、相手を奮い立たせて、自分自身もさらに向上していこうというスタンス。
そして一連の流れは12曲目の『仕事しよう』で幕を閉じるのですが、ここでは「ディス」をショーとして楽しんでいるリスナーにも刺さるような言葉が並びます。
ちょっとこれが、構成として完璧なんですよ……。
いわゆる「ディス(Dis)」の一つのお手本のような出来映えだと思います。
作ろうと狙っても、このレベルに達することは非常に難しいのでは。
ディスを、ただの罵りだと思っている人は、ぜひ一度聴いてみてください。

もちろんNORIKIYOの凄さは、このような歯に衣着せぬディスりっぷりに留まるものではありません。
彼自身、ただのディスった人だと思われることを避けるために、『如雨露』では恋愛の曲を多めに作ったりしています。

私はノリキヨの大ファンなので、彼を褒めるままで終わってしまいましたが……とても良いラッパーですよ。

追記終わり

 - ヒプノシスマイク, 音楽

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