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*

ベイマックスにいちゃもんをつける

      2020/03/08

ベイマックスを劇場で観てきた。(12月22日)
本作は、日本では内容をある程度隠して宣伝している印象があるので、「作品についての事前知識は何も入れたくない」という人がいたらとりあえずこのエントリは絶対に読まないほうがよいです。

まず作品概要から。
原作はもともと、マーベルコミックスのマイナーな作品で、ディズニーがマーベルを吸収してから、ディズニーサイドがマーベル作品でアニメ化しやすそうなものをリストアップしていった中にあったそうです。
それが、
なんかビッグ・ヒーロー・6という名前に聞き覚えがあるなーと思ったら、昔ブックオフで買った『X-メン パーフェクト・ガイド』という本に載っていたのでした。
(なんでXメン読んだことないのにそんな本を買ったのかと言えば、当時はエロゲーのシナリオライターになりたいと思っていたので、「いつか超能力系バトルモノを作るときにネタをパクれるかもしれない!」という邪でしかない動機)
原作はもともと短い作品で(というかスピンオフもの?)、日本人のディズニーファン

作品概要について書こうと思ったんですけど、気力が持ちませんでした!
このブログで映画や小説などの物語作品について書く時は、
「ネタバレを含まない作品概要」についてまず書いて、その下に「ネタバレ含む作品の魅力」などについて書くという二段構えの構成でいこうと思ってたんですよ。
けどそれだけの長い文章を書こうと思うと、よっぽど好きな作品の話じゃないと気力が持ちませんね。
多分、すんごい好きな作品に関しては、自分が書くと主観的な意見が入りまくってしまうし、なにより素晴らしい作品には前情報無しで触れたいと自分が考えているからなのでしょうね。
今後は、よっぽど好きな作品については二段構え構成、ふつうくらいの作品については最初からネタバレ込みの感想しか書かない、ということになるかと思いますわ!

というわけで、ここから下は物語の核心部分に触れることを書きますので、既に鑑賞しているか、ネタバレを全然気にしない人以外は読まない方がいいと思います。途中から『テッド』の核心にも触れています。

細かいツッコミなんかをしていくと、まずヒロが作って火事で紛失してしまったと思ってたマイクロボットと神経トランスミッター、敵がこれを武器にしてるってわかったから取り返すために自分たちも新しい武器を作って対抗しよう! って流れになってますけど、同じものをもう一回作れば同じ程度の戦力が得られるのでは……っていうツッコミが作品内に存在していないのがまずちょっと変ですよね。
まぁ、敵側が大量生産してたから物量でかなわないって話なのかもしれないけど、作品の中ではそんなロジックは全く触れられなかったし……。
いや、そういうところに突っ込んだりするのが野暮なのはわかっていますよ。
物語には関係ないことです、これは。

ベイマックスがいわゆるライナスの毛布のポジションなんだなー、と気付いたのはわりと最後のほうでした。
「ベイマックス、もう大丈夫だよ」と言われるまであなたから離れませんみたいな台詞を聞いて、あぁ、これどう考えても物語のクライマックスで使われるんだなーと思ったんですけど、多分これって大人だったら絶対に気づきますよね?
いやもちろん、「複線の張り方がバレバレじゃん、だせー!」って言いたいわけではないんです。
「こういう流れになるのね」ってだいたいの予想がついても、そこまでの持って行き方が上手かったり、自分が予想できなかった要素と絡み合っていればいくらでも感動してしまうわけです。
それに、子どもに向けて作られたものに対して大人が茶々を入れるってことが、そもそも大人げないってものだという意見を持つ人も多いと思いますしね。
で、物語のラストですよ。
ワープ装置の中に突入するぞー! ってなったところで、もう、「あぁここでベイマックスと別れなきゃいけないのね」っていうのは、もう多分子どもでも予想できましたよね?
あれはバレバッレでしょう。
いや、僕は映画を観ている最中に先を予測することってほとんどできないんですよ。
「うわ、どうなるの!?」って思っている瞬間も映画は進んでいくじゃないですか。
そのリアルタイム感のような部分が映画の特に好きなところだったりするんですけど。
で、「ここでベイマックスと別れるに決まってるわー」っていうのは、多分みんな分かってたことだと。
で、やっぱり予想通り別れのシーンが来たんですけど、まぁ泣きましたよ。

で、ここで重要なのは、この「複線バレバレ」の話じゃなくって、その後ですよ。
ベイマックスの残した手を開いたら、お兄さんが作ったカートリッジが入っていたと。
そこまでは良かったんです。
けど、その直後にはもうベイマックスが再生産されて、再起動までされちゃうじゃないですか。
その辺りはもうテンポが高速だから、「いつの間にベイマックスはカートリッジ抜いたんや」とか疑問は残らないんですけど……
いくらなんでも、ベイマックスの復活早くないですか!?
だって、ベイマックスとの涙の別れから、5分も経たないで復活してるんですよ。
あり得ないでしょうこんなん!
「永遠の別れかと思ったら、『もしかするとまた会えるのかもしれない』という淡い期待を抱いて、最後の最後にまさかの再開」っていう展開は、ピクサーの『モンスターズ・インク』みたいなネタだなぁという気がしました。
しかし、言うてもモンスターズインクも、まだまだ最近の作品ではあるじゃないですか……。
被らない展開にしようとは思わなかったのかなぁ。
印象として、ディズニーの方が作る作品は、ピクサーの成分を薄めて流用しているように見えることがあります。
ヴォルトも、虚構を現実だと思い込んでいるキャラクターというのはトイストーリーのバズだし。
ディズニーの最新型モデルを提示する作品と、子ども向けのピクサー流用作品が交互に来ている感じがする。
話がそれました!
とにかくもう、ベイマックスがちゃっかりエンディングで復活しているところは、ディズニーがまた商魂を燃え滾らせてきたなぁとしか思えませんでしたよね。
「まだまだベイマックスで稼がせてもらいますねん~wwww」
「続編とかテレビシリーズとかスピンオフとかやらせてもらいますねん~wwww」
っていう企画会議室でのいやらしいやりとりが聞こえてきそうですよ……。

こうして怒っていて、ふと、『テッド』も似たような作品かもなぁと思いました。
あのモコモコのぬいぐるみも主人公にとってのライナスの毛布で、主人公と一緒に喋るぬいぐるみも年を取ってしまうというのは大人になり切れない青年が多い現代社会をうまく表しているもの。
で、不慮の事故のような出来事にあい、テッドは壊れてしまうと。
そこで終わっていたら、よくできた成長譚なのですけど、その後テッドは奇跡の力で復活をとげて、彼女とテッドと三人で暮らしてハッピーっていう終わり方をする。
そのエンディング含めてテッドは「現代のダメ男」を象徴したような映画になっていたという話です。
テッドがアメリカで公開されたのが2012年なわけで、そういった「ライナスの毛布を手放せない若者」の映画の系譜が確立されつつあるとしたら、その一つとしてこの『ベイマックス』もあるのかもしれないなぁ、とは思ったんですよ。

けど、そもそもこのベイマックスの存在が、主人公にとって「ライナスの毛布」というか、父性との決別という物語として観れないんですよね……。
要するに、ベイマックスを「ライナスの毛布」として機能させるにしても散漫だし、死んでしまった父母に求めていたものを埋めてくれる存在として機能させるには描写が足りないし、いわんや兄の役割の代替としても描けていないし、散漫なんですよ!!

そもそも物語上、ベイマックスとはなんなのか、っていうことについてまず考えてみて、まとめることからはじめたほうがよさそうですね……。

まず主人公の境遇っていうのが、両親を亡くしていて、兄と一緒におばさんに育ててもらってきたと。
主人公は現在学校には通っておらず違法のロボットファイトで小遣い稼ぎをしていて、兄は大学でロボット工学について学んでいる。
で、兄がベイマックスという介護ロボットを作る。
で、兄が事故で死んでしまって、放心状態で日々を過ごす主人公は、兄が残したベイマックスと一緒に過ごすようになる。
で、ベイマックスと一緒に行動するおかげで、「兄を死なせた犯人を捜す」という目的を得る。
その一心で、一度は離れかけた科学に燃えて、結果的に兄の死から立ち直ることになる。
そんで物語の最後、仲間と協力して兄を死なせた犯人を捕まえたのだけど、ベイマックスとは別れなければならなくなると。

かなり雑な感じではあるのですけど、物語の流れの中で描かれる主人公とベイマックスの関係性はこんなものだと思います。

まず、両親の不在が物語に何の役割も果たしていないっていう点も気になる。
「日本アニメっぽいな」って感じたのはそこでもあるというか。
主人公には精神的・社会的な枷がはじめは何もない。
金銭的な不自由をしていなければ、富の満ちた暮らしを送っているわけでもない。
日系人であるということにコンプレックスも優越感も抱いていない。
両親がいないということで寂しいを想いをしているわけでもないし、不自由もない。
良い意味で、日本のアニメ的な「平坦な位置にいる主人公」だなぁと感じました。
しかしこの主人公の「両親を物心つく頃に無くしている」という設定、何も意味がありませんでしたよね?
最初のシーンが違法のロボットファイトのシーンだったから、誰も主人公のことを叱ったりしてくれていないっていうことなのかと思ったんですよ。
けど、お兄さんはちゃんと迎えに来たり叱ったりしてくれているし、二人を育ててくれているおばさんは二人のことを十分に愛しているって描写がなされているし。
物語のスタートの時点で、主人公は充足した環境にあるように思えるんですよね。
もしかしたら、おばさんはお店にかかりっきりであまりかまってくれてなくって、放任主義な所があるから、そこに寂しさを感じているかもしれないけど、それは除外。
「お兄ちゃんが介護ロボットを作ろうと思ったきっかけは、両親の死なのだ」的なエピソードが入るかと思ったけど、特になかったし……。

まずこの、「両親の死去が物語上何の機能も果たしていない」という問題が大きく横たわっています。

で、次に、「ベイマックスは何の象徴なのか」っていうことについて考えます。
ここまで書いていて気付いたのですが、長すぎます!
というわけで次の更新に続きます!
申し訳ありません!
長すぎますね!

 - ディズニー・ピクサー, 映画

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