優しいだけでは生きてゆけない。優しくなければ生きている資格がない 221205
夜遅めの時間帯に電車に乗っていた。
まぁまぁ混み合う時間帯だったが、僕はシート席に座っていた。
駅に到着してドアが開く。
僕の隣で眠っていた女性が目を覚まして、周囲を見回した。
ドアの上の電光掲示板に表示される駅名を見ようとするが、人の壁に阻まれて、駅名は確認できないようだった。
「○○駅ですよ」と教えると、女性は礼を言い眠り始めた。
良いことをしたと思った。
別の日に、地元の駅から家までの帰路、車を一時停車する人が多いエリアにSuicaが落ちていた。
パスケースにも入っておらずむき身のすいか。
作りたてなのか傷一つなくピカピカしていた。
近くの交番に立ち寄ったが、警官が不在だった。
そのまますいかを置いていくわけにもいかないと思い、駅に戻った。
駅員さんに「落とし物のすいかは持ち主の方に連絡できますか?」と聞いたら、「できますよ」とのことなので、渡してそのまま帰った。
財布を拾って警察に取得物を届けた場合など、現金は一割をもらう権利があったはずだが、電子マネーの類いはどうなのだろうと思った。
宮崎駿さんの「折り返し点」を読んでいた。
夏頃から読んでいたのだが、やっと読み終わりそうだった。
電車の中で立って読もうとしていたのだけど、スマホのゲームに夢中になってしまった。
重い本なので、手に持っているのが疲れた。
鞄を網棚の上に置いていたので、その側に置いた。
鞄の中に入れればよかったのだけど、そうせず、網棚の上に直接置いた。
これが良くなかった。良くないことと分かりつつ、ここ数回はこのように、本を網棚の上に置くことが続いていた。
その後、近くの席が空いたので座った。
その後、本を読もうとはせず、スマホのゲームをずっとプレイしていた。
地元の駅に到着して、コンビニに寄った。
会計時に鞄から財布を取り出そうとして、鞄の中の空間が広いことに気付いた。
本がなかった。
網棚の上に置きっぱなしであったことに気づいた。
買い物を終えて、駅に問い合わせるために戻った。
戻りながら自分が乗った電車の終点駅を調べたら、県をまたいで静岡にまで行くものだった。
駅員さんに聴いたら、途中で長めに停車する駅で遺失物の点検などを行うらしく、運が良ければ地元の駅から30分ほど行った駅で回収できるとのことだった。
そこで回収されなければ、地元から1時間以上……往復2時間以上先の駅にまで取りに行かなければならぬのである。
本は読み終わりそうだったので、回収に行かずに放置することも考えた。
しかし、その本はハードカバー本だったので、紙カバーを外して部屋に置いてある状態だった。
僕の部屋にはそのように、カバーを外したまま人に貸したり、読んでいて紛失してしまったものが数冊ある。
中身を失ったカバーをこれ以上自室に増やすのは嫌だった。
翌日、鉄道会社に問い合わせたところ、僕の本は地元から30分ほど下った大きな駅で回収されたとのことだった。
遺失物は、回収された駅で保管される規則であり、電話で落とし主を確認して郵送したり、最寄りの駅まで運んでくれるようなサービスはないようであった。
自己責任の世界。
しかも遺失物の保管期間は一週間であり、これを過ぎると警察に引き渡されるのだそうだ。
警察の手に渡るとなると、なおさら回収が面倒くさそうである。
大きな駅の近くに住んでいる先輩に、「遺失物を取りに行かないといけないのですが、ついでに飲みにでも行きませんか」と誘ったところ、その日であれば空いているとのことだった。
急遽、その夜飲みに行く約束を取り付けた。
本は無事に回収できた。
電車関係で善行を積んだはずだったのに、良いことなんてありゃしない。
ふざけやがって……。
俺の心は荒んだ。
その時、Amazonのブラックフライデーだったので、欲しかった財布を注文した。
本当に欲しかった色あいの品ではなかったが、元値の半額で買えたのである。
欲しかった物に近い色合いの品が半額、欲しいと思ってなかったけど六割引だったブラックのものと、二つ注文した。
返品は無料でできるので、実際に品を手に取ってみてから、どちらを使うことにするか判断すればよいと思った。
そんなタイミングで人に会う予定ができたので、財布を二つとも持参して、どちらがよいか判断してもらうことにした。
二つとも見せたところ「どっちもなしですねぇ」とのことだった。
でも……半額なんですよ……?とすがったが、「それは売れなくて残ってたからです!」とバッサリだった。
確かに言われてみればその通りであった。
僕がけっこう好きなAV女優が川崎にソープランドで働いているので、行こうと思っていることを話した。
90分二万五千円で楽しめるんですよ! さすが川崎、安いっすよ! と興奮しながら話したのだが、「え? ソープだったら多分総額表示じゃないよ。その倍はすると思う」と恐ろしいことを言ってのけた。
そんなわけないだろ……と思って、店名と「実際の値段」でググったところ、確かに、ホームページ記載料金よりも実際には高い料金の支払いが必要であると説明されていた。
90分五万円だった。
僕は絶叫した。
確かこのブログでは「ソープを予約した」とか書いた気がするが、あれは嘘だ。
僕は自分をヤリチンだと思われたくて日々生きているので、エッチ経験を盛る虚言癖がある。
そしてそれは現在進行形で、「エッチ大好きっす」という体裁を保ちたがっている。
この件に関して言えば、「ソープ行きまくる財力の持ち主である」とも思われたがっていたことだろう。
ただ実際にはソープになど行けていない。
しかし「ソープに行った」と書くことで労働意欲を掲揚しようと目論んでいたのだ。
だが、自分が思っていた倍の価格を払わないと、雪○れ○さんのGカップおっぱいを顔面に乗せてもらうことができないのである。
かわいそうすぎるだろ俺。
おっぱいで顔面を塞いでもらうことだけを楽しみに労働の励んできたというのに……そんなのありかよ!
というかホームページに掲載されている料金がアテにならないなんて、どんな世界だよふざけやがって。
欲しかった財布を定価で買おうとするのと、おっぱい90分が同じくらいの価格。
おっぱい90分が、レッドホットチリペッパーズとアークティックモンキーズと1975のライブチケットを合計した価格と同じくらい。
俺の中でのお金の価値基準がガタガタに崩れた。
もう誰を信じたらいいかわからない。
とりあえずレッチリのライブにも行かなければいけないし、Gカップは我慢することとした。
正直言って、あれ以上のGカップに巡り会うことなんてそうそうないと思う。
でも貧者の娯楽にしては高額すぎるのである……ソープランドは。
いつか同じくらいのGカップと巡り会えた時に、経済的な余裕を身につけていられるよう精進するしかない。人生ってそういうもの。
・今日聴いた曲
『4月に雪が降ることもあるんだね』とか『4月に降る雪もあるんだ』とかって直訳になるでしょうか。
雪にまつわる曲で一番美しいのではないかと思う。
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