クリーニング屋さんが書いた洗濯物についての本を読んだ

4年ぐらい前に、知人がウェブで書いた記事で、神奈川県内某所にあるクリーニング店が取り上げられていた。
オリジナルの洗剤の開発などもしているとのことだった。
でもその洗剤は一本4000円ぐらいしたので、「デヴィ夫人とかしか買えへんやないけ！」と思ってスルーした。
そしてついでにヘイトした。
俺は俺の手が届かない高品質な品、およびそれらの生産者と流通者を僻むよう性質を持っているのだ。

ただそれから時が流れて、自分が登録しているファッション系ユーチューバーと、そのクリーニング店の方がコラボしていた。
そこでお洗濯のテクニックが語られていたのだが、いわく、「巷で知られているお洗濯方法には間違いだらけ！」とのことだった。
覚えているのは二点。

・シャツは脱水を1分以内に終えて、少し水が滴るような状態で乾かす。そうすると布の重みで皺が伸びるのでアイロンいらず！
・洗濯物は外干ししないほうがいい！　布はそもそも紫外線に弱いのでダメージになる。理想の乾かし方は、暖房をつけた部屋で、扇風機で風を送って短時間で乾かすこと。

みたいなことだった。うろ覚えだが。

シャツを着るたびにアイロンがけするのは確かに面倒である。
自分はシャツを着ないことがない、というくらいの頻度で着る。二週間に一回程度とか。
ただアイロンがけが面倒だ。（そもそもバンドカラーシャツを着ない。バンドカラーシャツは10年ぐらい前に流行したと思うのだが、なんやねんえりなしっておい！　種無しぶどうじゃねーんだからWWWと思って、バンドカラーアンチをしていた。しかしいっときの流行ではなくもはや定番化した。今更バンドカラー着るわけにもいかず今に至る）
（また、シワになりにくい化繊素材のシャツを着るという手もあるが、肌が弱いのでシャツは綿100パーを着たい。ポリ1パーでも肌が痒くなる）
そういうわけで、脱水時間を1分以内で完了させて、ちょっと水が滴る状態でシャツを干したが、全然皺が伸びるようなことはなかった。
一応干す前に布地を伸ばしたりなどしたが効果はなかった。
だいたい、皺が伸びたとして、襟はピンとしないだろう。
俺は騙された気分になった。

室内で乾かすことについては、理屈としては理解できるので、間違いではないだろう。
でも洗濯物のたびに扇風機を回したり、暖房をかけたりしていては、電気代への影響が大きそうだ…。
それに室内に、洗濯物を干すスペースがないかも。私は。
まぁ、タオルとか下着は外干し、服へのダメージが心配なものは部屋干し…と分ければいいのだろうか。
でも分けるのめんどくさいよね…。

ファッションユーチューバーとのコラボ動画は、そのクリーニング屋さんが書籍を出版したことを宣伝するためのものだった。
試しにその本を図書館の蔵書検索で調べたところ、取り扱いがあった。
しかも市全体で3冊も保有している。
どこに金使ってんだよ藤沢市は！！！！
そんな金があるんなら田中ロミオさんの本を一冊でも入れてくれよ！
と思ったが、俺はその本を取り寄せて読むことにした。

ほんとはいいつつ、文字はクッソでかくて写真が多く紙幅を割いていた。
こんならネットで検索して出てくる「ライフハック」系の記事と情報量も変わりないな…と思った。それこそライフハックとか家事のユーチューブ動画なんでいっぱいある。
まぁ、家事を取り扱っているので、ネットではなく紙媒体で情報を収集する層の購買を見込んだ本なのだろう。

俺が気になっていた、シャツをアイロンなしで乾かす方法について、動画以上の補足情報はなかった。
もう諦めてアイロンかけて生きる。
夏場にアイロンかけてると汗かいてきて嫌なんだよな…電気代もだいぶ食っていそうだし…。

「外干しが良くない」って論については、花粉や土埃、大気の有害物質の付着というリスクもあるとのことだった。
でもそれを言い出したら、普通に外に「居る」こと自体も体や服に悪いって話にはなるよな…とは思った。

・お風呂の残り湯で洗濯しないほうがいい！
ということが、ドヤ！　とばかりに書かれていた。
「汗や皮脂などの汚れが含まれた水で洗うのは、効果が薄いです」とのことだった。
そらそうだろうよ！　誰でもわかるわそんなん！
ただ、私は風呂残り湯洗濯をする人種だ。
まっさらな水道水を使うべきなのはわかっているが、風呂の湯をそのまま下水に捨てるということがもったいない気がしてならない。
使うしかないだろう。。。
日本は水資源が豊富だが、水は世界的にみて貴重な資源なのである。
あと、自分の中の理屈では、汗や皮脂汚れは洗剤が分解してキレイキレイにしてくれるんじゃないの？　というものがある。
最後のすすぎは浄水を使っていれば別にそんなにばっちくないとは思うのだが、どうなのだろう…
なお、俺はお風呂でおしっこする派だし、最後のすすぎも風呂の残り湯を使うのだが…

ただ、書籍に書かれていた、「ドラム式洗濯機は日本ではあんまり有用性がない」というのは目から鱗だった。
曰く、ドラム式洗濯機は洗浄力が高いが、欧米発祥のもの。
欧米は水の硬度が高いが、それだと水そのものの洗浄力が弱いので、洗濯機の洗浄力を高める必要がある。
日本の水は軟水の地域が多く、軟水は洗浄力が高いので、洗濯機の洗浄力をあんまり高めなくてよい。
なので洗浄力の点で言えば、別にドラム式洗濯機にするメリットはないというもの、

・今日聴いた曲

前からこのアーティストのことは知っていたのだが、カーリー・レイ・ジェプセンのパーティフォーワンという曲が、この曲からインスパイアされたものだと知って聴いてみたところ、打ちのめされた。すごい。
どちらの曲も、一人でいることを受け入れているものなのかなと思う。
PVとアルバムの音源でちょっとアレンジが違うな。
Spotifyでこの曲の再生回数は2億回を超えている。すげーな…。

しかし、このダンスナンバーを、ピアノ弾き語りでカバーした動画がYouTube再生5億回を超えている。

もともとこの曲が人気だったのもあるだろうが、ゴッドタレントという一芸披露番組で歌われた効果も大きいと思う。
自分の元パートナーが、すでにほかの「友達」を作っているという噂を聞いたり、ほかの相手を部屋に連れ込むところを想像するというシチュエーションを、電子ポップで歌い上げたのが曲の面白みなのに、「悲しいっす」というシンプルな泣きのピアノバラッドにするのは、なんというか、面白みがなくなるよなーと思う。
もちろん、他の作家によって演奏や編曲をし直されることで別の解釈が生まれたり、本質が顕になるようなこともあると思う。

トレント・レズナーは『ハート』がジョニー・キャッシュにってカバーされたバージョンを聴いて、「あれはこういう曲なんだと初めて気づいた」と語ったことがある。これは好例。
とはいえこのダンシングオンマイオウンカバーは面白くないっす。
それなら、インスパイアされて別の曲を作ったカーリーのほうがいい仕事してるな、と僕は思います。