てやんでい!!こちとら湘南ボーイでい!!

映画音楽本ごはんの話を、面白く書けるようにがんばります

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アクアマンの感想

   

アクアマンを劇場で観てきました!
その感想を書きたいと思います。

・概要
DCコミックユニバースの一つとして製作された作品です。
名前のとおりアクアマンと呼ばれるキャラクターが主人公です。
海の中をすごい勢いで動き回ってて、海の生き物とコミュニケーションを取ることができる感じのパワーを持っています。
なんかあんまり特徴がない人ってイメージでした……失礼ながら(笑)。
本作は監督として、ジェームズ・ワンが抜擢されました。
彼はスリラー映画の『ソウ』シリーズを作り上げた一人で、最近では『ワイルドスピード』シリーズを監督したりしていました。
これまで暗い作風が続き、興行的にも苦戦を強いられていたDCコミック映画に新風を吹き込むような人選だったと言えます。

・あらすじ
高貴な血を引く海底人の女性が、地上に暮らす男と出会います。
ちょっとした文化の違いに戸惑いながらも二人は恋に落ちて、子どもをもうけます。
三人で幸せに暮らしていましたが、地底からの追手がやって来てしまい、子どもと夫の身を案じた女性は海へ帰っていきます。
その時の子どもがアクアマンで、彼は母の配下の海底人から戦いや、海を爆速で泳ぐすべを習います。
彼は母に会いたがるのですが、実は海底に戻ってから偉い男と結婚したものの、地上で鯉をして子どもを産んでいたことがばれてしまったという。
怒った偉い男は、母を深海の怖い生き物たちの生贄にしてしまったと言います。
アクアマン、かわいそうです……。

そんな彼は海の荒くれ者たちをやっつけたりして、地上の人気者になっています。
そんな中、海底人たちは、海を大事にしない地上人への怒りを爆発させて、侵攻しようとしてくる……というおはなしです。
お話自体は別に面白くはないので、ここらへんにします!

・感想
面白くなくはないけど、すごく面白くはない感じでした!
ワイルドスピードを手がけた監督ということは聞いていたので、あんまり深く考えずにアクションを楽しめばいいんだな? と思っていたのですが、その予想は大当たりでした!
そんなわけで、そういうのが好きな人にはぜひおすすめかなと。

・シガー・ロス
アクアマンのパパとママが打ち解けていく短いシーンでは、アイスランドのポスト・ロックバンドであるシガー・ロスの楽曲が使われていました。
ド派手な映画だと思いながら観ていたので、こういう静かめなバンドの曲も使うんだなって感心しました。
シガーロスって、そんなに知名度のあるバンドなんですね……。
彼らは神秘的な音楽性を持つバンドなので、海底の世界の王女様の高貴さを表現するという意味では良い選曲ですね。
(あと、この後書きますが、ヒックとドラゴンの影響もあるのかも? と思ったり)

・映像
戦闘シーンについては、取り立てて新鮮味のあるものはなかったです。
一口に戦闘シーンと言っても、この映画は戦闘シーンがたくさん出てくるのですが、そこは本当にすごいことだと思いました!
「地上の屋外での肉弾戦」
「地上の室内での肉弾戦」
「海中での肉弾戦」
「海中での人間と巨大怪物の戦い」
「海中での軍隊同士の戦い」
などなど、バトルが盛りだくさん。
特に目新しいバトルが行われたわけではないので、既視感バリバリの演出のラッシュ!
マーベル映画などは、バトルシーンでもシチュエーションや見せ方がシリーズ内で被らないように気を遣っている感じがしますが、こちらは物量つまりバトルシーンの多さでごり押ししているところがすごいですね。
あと、スタイリッシュ風で、テンポがいいところは監督の手腕なのでしょうね。
テンポが早いので、細かいところを気にする間もなくポンポン進んでいきます。

ただすごいと思うのは、色彩の感覚でした。
海中世界の色彩感覚はほんとにすごかったですねー!
特に後半のバトルのシーン、カメラがぐるっと360度視点を回るところがありましたが、あそこのシーンは極彩色で色のオンパレードでしたね。
あれはめちゃくちゃすごいシーンでした。
この映画では、主人公が伝説の武器を求めて世界中を旅することになるのですが、行く先々で画面の色のテイストが全然違いました。
ワイルドスピードもそうだったけど、世界のいろんな場所を回るようなアクション映画が好まれる傾向にあるのかなぁ。
もちろん、007の頃から、主人公が世界のいろんなところに冒険しに行く映画はありましたけど、一つのお話の中でいろんなところをポンポン飛び回る感じの映画が増えたような気がします。(気のせいか?)

あと、カメラワークがすごいっすよね。
というか、カメラの存在を忘れさせるかのように、カメラがぐるぐる回ります。
360度回転したりもします。
この監督は、どんな風に世界を捉えているんだろうと思いました。
すごかったですねー。

ただ、「綺麗な夕焼けのシーン」を、CGをバリバリ使ってる茜色で表現してるのはちょっとどうかと思いました(笑)。

・母ちゃん取り合ってるだけの話かい!!
ストーリーが、「海の世界と地上の世界の大戦争が勃発寸前!」という、世界的な危機を扱っているのですが、そうなってしまったもとを正してみると「主人公のせいで、父親が母親を魔の海の生贄にしてしまった! そんな主人公が暮らす地上の世界が許せない!」というしょうもない理由だったという……。
ママを返せ! って話っすか……。
で、お母ちゃんが生きていることがわかった途端、復讐心も沈静化していくという……。
もちろん、世の中で起こる陰謀や独裁や虐殺などの悲劇だって、計略する人間の動機のもとをただしてみせば、「なんだ、そんなことが原因なのか」と思ってしまうようなあっけないことだったりはするのでしょうけどね。

・作品の影響源は?
この作品の監督の発言などを探っていないのですけど、似ているなと思った作品が二つあります。
『ヒックとドラゴン』のシリーズと、『崖の上のポニョ』です。

ヒックとドラゴンは、ディズニーでリロ&スティッチを手掛けた監督コンビがドリームワークスで発表したCGアニメ映画です。
めちゃくちゃ面白い映画です。
今年劇場第三作目の公開が予定されています。
(とても好きな映画なので、3の公開までに紹介したいところ……)
この作品の2が、このアクアマンと似ている点があります。

1では死んだと思われていた主人公のお母さんが、実は生きているという展開なんですね。
で、そのお母さんが今暮らしているのは、氷山の中に隠された、ドラゴンたちの楽園だったのです。
そこは巨大なドラゴンに守られていて、氷山の中だというのに豊かに色づく草木が生い茂る不思議な空間なのです。
いろいろとドラマが繰り広げられたのちに、お母さんは主人公と共に元の世界に帰ってくるというお話なのです。

「お母さんが実は生きていた」
「お母さんがいるのは、他の土地では見られない幻想的な生き物の住むところ」

といったところが似ているポイントですね。
あと付け加えると、ヒックとドラゴンシリーズは、シガー・ロスとも深いつながりがあります。
シリーズ一作目のエンディングテーマを、シガー・ロスのボーカルであるヨンシーが手掛けているのです。
この2でも、ヨンシーの歌声を聴くことができます。
そもそもヒックとドラゴンの監督は二人体制なのですが、そのうちのディーン・デュボアさんが、シガー・ロスのライブをおさめたドキュメント&ライブ・フィルムの監督を手掛けているので、それが縁なのでしょうね。
アニメーション映画監督のディーンさんが、なぜシガー・ロスの映画を撮ることになったのか、経緯はわからないのですが……。

そんなわけで、ヒックとドラゴンとアクアマンにはいくつか共通点を見出すことができるのです。
ヒックとドラゴンはかなり評価が高く、TVアニメシリーズも作られているほどなので、アクアマンのクリエイターが影響を受けていてもおかしくはないかと!

それと、ポニョです。
これは海の中の世界……特に生物が海中を漂うさまが近いなーと思いました。
あとは海辺の崖道を走る車を津波が襲ってくるところですね。
さらに加えるなら、お母さんを探し求める男の子というモチーフが、ポニョにも出てくるので……。
こちらは何となく近いなと思っただけなので、影響を受けていないかもしれないです!

・薄くて浅い
この映画も大ヒットしているようなのですが、内容は薄くて浅いですね!
監督のジェームズ・ワンさんは移民二世らしいので、アクアマンが海底人から「混血め!」とののしられる展開などは自信を投影したのかなーと思ったりしました。
しかしアクアマンの、自身の出自に対する葛藤も大して描かれないまま、物語はポポポンと進んでいきましたね!
なんか現代的! って思いました。
ハリウッド映画の構成に多く見られる要素として、「冒険への召命」「召命の拒否」というものがあります。
そもそもハリウッド映画は「三幕構成」で作られることが多いです。
日本語で言うなら序破急ですね。
物語の最初の四分の一程度の時間を使って、主人公の個性や彼を取り巻く環境、主人公がどんな欠点があり、どうなりたいのかが示されます。
そして主人公は、新しい環境へドアが開かれますが、そこへ入ることを拒否します。
それは主人公が、今の環境を変えたがらなかったり、新しい環境に入っていくことへの怯えを持っていたりするからです。
ですが、様々な要因から、主人公はそのドアをくぐって新しい世界へ入っていくことになります。

そんな定番の展開ではあるのですが、今作では、主人公が証明を拒否する確たる理由も感じ取れなかったりするんですよね。

その浅さというか、軽さみたいなものは、
美男美女で、世界の様々な場所をめぐりながら、波乱万丈で戦闘しまくるのがいいんでしょうね、きっと。
せっかく映画館に足を運ぶなら、大画面と良好な音響でこそ楽しめるような作品にお金を払いたいというのも納得ですし。

 - 映画

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