37歳の時の仕事(カリオストロの城) 220912
カリオストロの城が、劇中の結婚式開催日にちなんで劇場公開されるとのニュースがあった。
イオンシネマを中心に、限られた劇場で行われるリバイバル上映とのこと。
自分の生息している地域からだと、横浜か海老名のイオンシネマで上映されているようだった。
THX劇場で上映される海老名のイオンに行くことにした。
海老名のイオンには、2009年に通い詰めた思い出がある。
当時、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破が公開されていたのだけど、上映される劇場がとても限られていた。
序と破はほぼインディーズ体制で配給されていたとのことだった。
Qからは大手配給会社が絡むようになったので、たくさんの映画館で上映された。
自分の生息する地域だと、海老名が最も近かった。はず。なので、原付で片道40分ぐらいかけて海老名まで行き、駐輪料金を取られるのが嫌だったので違法駐輪して、映画館を観た。鑑賞中は、原付が持って行かれてはいまいかとドキドキしていた。
2009年のうちに、僕はヱヴァ破を20回ぐらい観たと思うが、うち15回は海老名イオンで観たはず。世話になった。。。
カリ城を映画館で観るのは初めてだった。
劇場のスクリーンと音の具合も良かったけど、作品自体がリマスターされたものだったようで、音質も映像の質もとてもよかった。
宮崎駿さんは、この映画の仕事を振られたのが5月で、12月には公開されることとなっているので、だいたい半年で作り上げたことになる。
すでにTVシリーズでルパンを手がけていたので、ある意味では準備期間は数年分あったということなのかもしれないけれど、それにしても、この映画を半年で作ったというのは信じがたい話。
スピルバーグはこの映画を激賞しているという。
ピクサーのジョン・ラセターも、この映画を観て宮崎駿さんに惚れ込んだと話していた。
ディズニーで子ども向けアニメばかりを作っていたラセターは、カーチェイスのシーンを観て、「大人も楽しめるアニメーションがあるのか」と驚いたと言ってた。なんかの動画で観た気がするんだけど思い出せない……。
僕は3年ぐらい前に観たきりだったのだけど、改めて思うのは、全要素面白すぎるというところ……。
キャラクターの台詞一つ一つが、物語を推進させながらも面白かったり、その人物のキャラクターが反映されているし深みが出るように巧妙に作られている。
あと宮崎アニメ全般に言えるけれど、「その場所に居ること」を客に知らせるような効果的な音が耐えず鳴っている。
洞穴に居るときはどこか心細くなるような音、高いところにいる時は服のたなびくパタパタという音など。当り前のことですけど、音にこだわれというのは宮崎さんがしょっちゅう言っていること。若い頃の仕事でも、やっぱりそれはちゃんとこなされてるもんですね。
ただ、展開の面白さ、場面を印象づけるための技巧などはちょっと説明がつかんぐらい面白いんですよね……。
まぁ天才の仕事としか言いようがない。
TVルパンでも、偽札を扱うエピソードで、大時計のネタが出てきたりしていたので、その辺は共通点があるかもなと思った。
この映画を作ったのが宮崎さんが37歳ぐらいの頃のことだったはず。
若い頃、自分が好きな作家が「何歳の時にこういうことを成し遂げた」ということが指標になったりしてた。
「自分もその歳になる頃には何か成し遂げていたい」と思ったりしていたけど、心のどこかで、「天才と俺を比べてもしょうがないよな」とも思っていた。
天才と比べてもしょうがないですよね。
『パンダコパンダ』を作ったのが30歳前後のことなので、やはり、宮崎さんと普通の人間を比べることは到底意味が無いことと言える。
ナウシカの公開が43歳の時。アニメの製作開始や漫画の連載開始はもっと前のこと。まぁ無理よな。
けれど若い頃は指標にしてしまってたよなぁ。
でも天才ではないなりに頑張らないといけないよなとも思う。
でも自分の頑張りが報われるようには思えないって瞬間も多かったり、また、努力や自己犠牲が報われなかった経験も重なってくると、なかなか、生きる上での最低限の社会活動以上のことをするエネルギーを持てなくもなってくる。
嗚呼。
多分僕は37歳になっても、今と変わらなそうだなと思う。何もしてない。
ちょっとずつは変わると思う。返済しなければいけない額は少しずつ減っていく。
でもそのちょっとずつ変わるペースよりも、自分の心がすり減るペースの方が早いはずだとも思う。
そもそも普通の人間よりも劣っていると考えるのが妥当であるのに、時々、いやわりと多くのタイミングで、普通の人ぐらいは報酬を受けたいと考えてしまう自分がいる。卑しい。
30歳ぐらいで自死する男がいるように思う。
そのぐらいの年齢に達すると、まぁ自分の人生はこのぐらいの調子で死ぬまで続くだろうな、という目測が立ってくるというか。
家庭を持った人はだいたい人生のプランを立てることになるし、家庭を持たない人は「この先も持たなそうだな」と思ったり、また自分が家庭を持たない・持てない理由を考えてみたり。
「自分の人生、この先こんな感じよな」という見通しが立ってくると、閉塞感を覚える。
それも、「今よりも良くなることはない」としても、「悪くなることはいくらでもありえる」ので、まぁ、人生を終わらせたいという気持ちもよくわかる。
NORIKIYOとかブルーハーブとか竹原ピストルさんとか、そういう自死を選んだ人について、そういう選択をした人を尊重するようなことを歌う人がいるけど、そうするしかないんだよなと思う。
『もう苦しまなくていいんだろ』ってリリックがあるけど、僕もそう思う。
・今日聴いた曲
自死したいとこと、自死したい思いを秘密にしている自身のことをラップした曲だそう。
NORIKIYOさん好きなんです。
NORIKIYOのリリック集が出版されているのだけど、リリックの次のページに、その曲についてセルフ解説している自伝要素のある本になっている。
そこで、自死したいとこの兄ちゃんの思い出が書かれているのだけど、「いとこ」って不思議な距離感があるよなと思わされて、何度も読み返してしまってる。
自分はいとことの関わりがない。
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