てやんでい!!こちとら湘南ボーイでい!!

映画音楽本ごはんの話を、面白く書けるようにがんばります

*

「実家ですか?」

   

初対面の人と話していると、高確率で「実家ですか?」との質問を受ける。
だいたい、自分が今住んでいる場所と、職場の場所の情報を提示した後にそのような質問が出てくる気がする。
そして以前の自分は、この質問を受けると回答に窮していた。

自分の「実家」のイメージは、親が一戸建ての持ち家であるか、マンションの部屋を持っているかといったところ。
そのような「家」の概念で言えば、僕には実家がない。
しかし母親と同居してはいるので、「親と住んでいますね」と回答するようにはしている。
すると、おそらく相手の中で「親と住んでいる=実家」と認識されるようで、話はそのまま進んでいく。
相手が「実家住み」の概念を「持ち家がある」としているのか、「親と住んでいる」としているのかは不明であることが多いが、実家という言葉にどのような意味が含まれているかを確認していては話が進まないし、「実家住みを気にしていやがるな」と思われそうなので、とりあえず上記のような回答をしていた。

実家がないという話について書くと、僕は18歳くらいまでは一戸建ての家に、祖父母と両親と兄弟とで住んでいた。
僕が18歳くらいの時に、父親が借金を抱えていることが発覚し、その家を売却することになった。
そのタイミングで父と母が別居することになった。
僕は現在に至るまで、その時に引っ越した賃貸の部屋に母親と住んでいる。

自分はあまり気にしたことがなかったが、「実家住みであるか否か」という属性は、その人物を評価するにあたっては大きな項目なのだと思う。
だから初対面の際に飛び交う確率が高いのだろう。

で、「親と住んでいる」人間はおそらく、舐められている。
一度、会社で上司と面談している時に「実家住みだとお金貯まるでしょう」と言われたことがあった。
あんまりそういう形でプライベートに踏み込むことはおすすめできないが…とは思ったが、そこで波風を立ててもしょうがないので「僕はあんまり貯まらないですね」と答えた気がする。

僕の場合は、家にある程度お金は入れていて、自分に必要な生活雑貨は自分で購入して、
共有しなければいけない雑貨(ティッシュとかトイレットペーパーとか水回りの清掃薬品とか)は僕が買っている。
こういうのは恥ずかしいことなのだが、自分の母親は衛生観念が低いので、掃除をしたがらない。
なので僕が自分でトイレのお掃除シートを買って自分で掃除している。
(関係ないけど、昔付き合っていた女の子が家族と一緒に住んでいる家に遊びに行ったとき、トイレの便器がコケに覆われていたことを思い出した。あれは一年二年掃除をしなかっただけでは生じない汚れだったと思う…)
携帯電話の料金やインターネットの契約も僕が支払っている。当然だと思うけど。
家に入れている額としては、自分の手取り賃金の三分の一~四分の一程度。

親と住んでいると答えて「舐められてるな」と思った時には、「一応お金入れてますけど…」と言いたくはなるのだが、舐められているな感が僕の妄想かもしれないし、僕が出費しているという最後のプライドの砦を承知したうえで舐めているのかもしれないので、特に何も言わずに話は進んでいく。
ただ、あからさまに舐めているであろうことが窺える人の話を聞いていると、やはり、「実家住まい=全力で親に甘えている」という構図が成立しているようではあるのだ。
「一人暮らしも考えているけど地元はでないかも」といった話をしただけで、「地元離れろや! 親に頼んのか!?」と詰められたこともあった。
そういう人は、自身が「親に甘えたいよう(´;ω;`)」という心を押し殺して一人暮らしをして頑張っているのだろうけど、なんで人の生活についてそんなに詰めてこれるんだろうと思わざるを得なかった。

30歳を過ぎていて、親と一緒に住んでいて、親にお金を一切渡さないという人はあんまりいないようには思うのだけど…親と住んでいる人みんなに聞いて回っているわけではないけど、男女問わず、親と一緒に住んでいる人は家にお金を入れていると思うのだが、上記のような物言いをする人の中では「家族と住んでいるのはめちゃくちゃ楽をしている」ということになるようだ。
もちろん一人暮らしの苦労や出費の多さの方が大変なのは言うに及ばずだが、他の実家住みの人に話を聞くと、僕と同様に「話をあんまり聞かないうちから舐めてくる人がいる」という話になる。

家事に関して言うと、母親と折り合いが悪いので、やってもらうのが癪だから食事は自分で用意し、洗濯掃除洗い物は自分でやっている。

そのような状況で家族と同居を続けている理由はいくつかあるが、自分がアスペルガーなので、多分環境が大きく変わる選択を取ることがなかなかできないことが一つあると思う。
あとは上記のように僕には「実家」がないので、独居を始めたら、今かろうじてあるように感じているであろう「ホーム」が完全に消失する。
あと、「実家」に荷物が置けないので、部屋探しが難航しがちというのも難点。

とはいえいつまでもこの生活を続けるわけにもいかないので、数か月以内に一人で暮らすことを考えている。
在宅で仕事をするとなると、自室からオンライン会議に参加しなければいけない場面も出てくる。

あと、多分、男女ともに「一人暮らししてないんかい」という烙印を押されることがあるので、それに対してなんか嫌だなぁという気持ちがある。
あからさまな話でいうと、昔、知り合いの女性から、休日の夜に突然「田中さんって一人暮らしでしたっけ?」と連絡が着て、「親と住んでるよ」と返したら「じゃあ急に遊びに行ったりできないですね」と言われたことがあったのだった。
一人暮らしをしていないことで、このような機会損失はいくつかあったのだろうな…と思ったのだった。
まぁ、当たり前の話か。

日本も貧困化が進み、多分僕のように「実家」と言えるものを持たない人も増えてくると思う。
というか実際に、僕と同世代ぐらいでもそういう人は多いんじゃないかと思う。
経済的な要因から「実家」を持つことを選択しなかった親の子どもたちはきっとたくさんいるはずだ。
とはいえ、まだまだ「実家」を当たり前のように持ち、誰もが「実家」を持っているということに疑いを持たない人も多くいるから、ここまで書いてきたようなことが起こっているのだとも思う。
多分、価値観が相違していることに気づかず、「実家を持っているけど一人暮らしで頑張っている自分」でマウントしたい人もいると思うので、「実家ハラスメント」と言いたいところ。

もちろん、何の考えも特になく、相手の生活のことを知りたいから「実家?」と質問する人が大多数だとは思ってますよ。もちろん。

 - , 日記

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